ロエベ LOEWE
ロエベ(スペインのレザーグッズから始まったラグジュアリーブランド)のクリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソン(ロンドンでは自身のブランドJWアンダーソンが人気の若手デザイナー。2013年よりロエベのクリエイティブ ディレクターに就任)は「着飾ることは熱量の高い行為」と緊張感を持って服を着ることの楽しさを思い出させてくれました。ロエベのヘリテージ(クラフツマンシップ)とモダンアートとのコラボレーションで新しいフォルムを作り出したコレクション。撮影場所に選んだのはパリの伝統的な建築物、そこで現代的で最もファッショナブルな快楽主義を表現しました。
ヴァレンティノ Valentino
通常パリコレクションのトリを務めるヴァレンティノ(1960年ヴァレンティノ・ガラヴァーニが立ち上げたイタリアを代表するラグジュアリーブランド。2007年ヴァレンティノ氏は引退。2008年よりデュオで、2016年より単独で永年メゾンにいたピエールパオロ・ピッチョーリがクリエイティブ・ディレクターに就任)ミラノコレクションで発表、ミラノの劇場ピッコロ・テアトロで生演奏でのキャットウォークをライブ配信しました。色は黒と白。カットワーク(メッシュ)のピッタリとしたインナーに白シャツを重ねケープを纏うというレイヤードスタイルです。ミニスカートにはキルティングのロングブーツを合わせて完成です。インナーにハイネックのカットソーを重ねる着こなしは他のブランドでも見られました。この秋人気が出そうなアイテムです。白黒コーディネイトは透け感、抜け感が大切。この秋は重くない黒の着こなしが人気を呼びそうです。
クロエ Chloe
クロエはガブリエラ・ハーストをデザイナーに抜擢したデビューコレクションです。発表当日は創業者、ギャビー・アギョン生誕100周年の日。創業当時、発表の場だった老舗のブラッセリー・リップからモデルたちが飛び出し夜のサンジェルマン通りを闊歩しました。当時、70年代の自由な空気を表現して人気が出たクロエですが、ガブリエラはその気分を現代の手法でデザインしました。
マルチボーダーのチューブドレスはリサイクルカシミヤを用い、コーディネイトを完成させる斜めがけバッグはリサイクルジャガードが使われています。また、実際のヴィンテージバッグ50点がアップサイクル(古いものを新しいアイテムに再生)されて登場しました。サスティナブルな取り組みを積極的に取り入れたコレクションをガブリエラは「クオリティとクラフツマンシップが私にとってのラグジュアリーなのです」と語ります。
デザイナーが常に新しい美しさと価値観を提案する発表の場がコレクション。この連載では毎回、そんなデザイナーの仕事をご紹介していきます。