軽やかでフルーティーな香りと味わいが特徴のハイランドシングルモルトスコッチウイスキーメーカー「グレンモーレンジィ」は、追加熟成のパイオニアでもある。3月27日(水)から、希少な樽で追加熟成した少量生産のシングルモルト・スコッチウイスキー、“バレルセレクトシリーズ”の第4弾として『グレンモーレンジィ バレルセレクト カルヴァドス』を順次発売する。

グレンモーレンジィ バレルセレクト カルヴァドス
希望小売価格 12,430円(税込)/ 700ml
https://store.shopping.yahoo.co.jp/moet-hennessy-s1/1104595.html
 

贅沢な追加熟成

ミネラル豊富な水で造られたウォッシュを、大人のキリンと同じくらいに背の高い蒸留釜(ポットスチル)で蒸留することで、フルーティーでフローラルな香りと軽快な味わいを特徴とするスコットランドのシングルモルトウイスキーのメーカー「グレンモーレンジィ」。

ポットスチルのこの地上露出部分の高さが約5.14mあり、ここにキリンが立つと大体同じ高さになる。このネック部が短いと重厚でオイリーなウイスキーに、長いと軽快でフルーティーなウイスキーになる

熟成樽への力の入れようも特徴で、選りすぐりのホワイトオークを2年以上自然乾燥させ、そのオークで樽を組み上げ、トースト(焙煎)とチャー(焦がし)を施したあと、とある有名なバーボンメーカーに貸し出してバーボン樽として数年使用。その後、これをスコットランドの蒸留所に戻して、ニューメイクのスピリッツを満たして10年熟成。「ファーストフィル」と呼ばれるウイスキーを生み出す。さらに、この樽に再びニューメイクのスピリッツを入れ、また10年熟成。こちらは「セカンドフィル」と呼ばれ、このセカンドフィルとファーストフィルをブレンドすることで、グレンモーレンジィの代表作、THE ORIGINALこと『グレンモーレンジィ オリジナル』は造られている。

知ってました?

そして、この時間をたっぷりかけた贅沢なウイスキーを、さらに別の樽に入れて熟成させることで、独特の風味をもたせるのが、グレンモーレンジィが自らをそのパイオニアであると自認する、追加熟成のウイスキー。1987年にリリースしたワイン樽で追加熟成を施した『グレンモーレンジィ 1963』がその最初の作品とされている。

カルヴァドスの樽で追加熟成したウイスキー登場

グレンモーレンジィの最高蒸留・製造責任者はビル・ラムズデン博士という。いささかのマッドさも漂わせる実験好きの博士で、様々なウイスキー造りを試しては、うまくいったものを商品化して、我々に届けてくれる。

ビル・ラムズデン博士
この写真は真面目な顔をしているけれど、実際はかなりユーモラスな人物だ

その最新作が2024年3月27日(水)から順次発売となる『グレンモーレンジィ バレルセレクト カルヴァドス』。その名の通り、フランスのリンゴ(ナシの場合も)を使ったスピリッツ「カルヴァドス」の樽(しかも20年以上使用されたもの)で18カ月の追加熟成をしている。

発売前に試飲させてもらったのだけれど、香りはたしかにカルヴァドスっぽい。グレンモーレンジィといえば、オレンジなどの柑橘の風味が特徴で、そこにリンゴとくれば、なにやらフルーツとフルーツのコラボレーションで優しく甘酸っぱいイメージを抱きませんか? 筆者はそうおもいました。

ところがよくよく香りを確かめて(ウイスキーはアルコール度数が高いので、グラスにウイスキーを入れたあと、そこに鼻を入れ、口で息をすると良いと教わりました)、口に含んでみると、なんと、オイリーかつスパイシー。アルコール度数が高いこともあって、そのまま飲むとピリっと来る。

たしかに、こちらの広報画像にあるように、焼きリンゴやナシ、トフィーのような甘いニュアンスもあるけれど、そこにも常に、ジャスミンやスターアニスといった、ちょっとクセのある香り、味が伴う。

これが甘いものとすごく合うのだ。

カルヴァドスといえば、本国フランスでは食後酒の定番。カルヴァドスの場合は、そのまま、あるいはチーズなんかと飲むのが一般的だとおもうけれど『グレンモーレンジィ バレルセレクト カルヴァドス』なら食後にチョコレートやキャラメルを使ったお菓子と一緒に楽しむと、すごく贅沢な時間になるのではないか?

バレルセレクトとあるように、カルヴァドス樽のなかでも、博士が厳選した樽だけで造られた作品。生産量はわずかだという。気になる人は、さっさと手に入れておくことをオススメしたい。ちびちび楽しめば、結構ながいことお付き合いできるはず!