オーストラリアで最も高名なワイン評論家であるジェームス・ハリデーが太鼓判を押す、オーストラリア最高峰ワイナリー「ロッククリフ」。2018年に日本上陸を果たしたこのワイナリーはパンデミックで苦境に立たされていた……

日本・パース間の直行便も10月から再開する今年、西オーストラリアの名ワインが日本に帰ってくる!

冷涼産地ならではのキレがロッククリフの持ち味。この『ロッククリフゼロドサージュスパークリング ZERO NV』は日本で出会ったドサージュゼロのシャンパーニュがインスピレーション。シャルドネ65%、ピノノワール35%

5スターワイナリー

世界の地質を知り抜いた男が選んだのは西オーストラリア州グレードサザンだった……

強豪ひしめくオーストラリアワイン界で、権威、ジェームス・ハリデ―が「5スターワイナリー」と評する「ロッククリフ」。

ワイナリーが位置するグレートサザンは基本的にはクールクライメットながら、南側が南極海の影響を受ける涼しく湿った気候、北側がやや温かくドライな大陸性気候で、シャープでピュアなシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランは言うに及ばず、セミヨン、ピノ・ノワール、シラーズにカベルネ・ソーヴィニヨン……と、バラエティ豊かなブドウ品種が育つワインの銘醸地。

「ロッククリフ」のオーナー、スティーブ・ホールは、地質学の博士号を持ち、35年以上地質学者として大手石油会社に務めた人物。

スティーブ・ホール

70カ国以上の土地の地質を学んだ経歴をもとに、ワイン造りに最も素晴らしい地として、彼が選んだのも、西オーストラリア州グレートサザンだった。

デンマークという街のワイナリーを買い取ったのが2002年。街の南極海湾岸にある高さ100mほどの花崗岩の岸壁「ロッククリフ」のように、街のシンボリックな存在になりたいという願いを込め、自らのワイナリーを「ロッククリフ」と名付け、モダンなワイナリーを築き上げていった。

岸壁 ロッククリフ

その後、小規模に品質を追求する造り手たちが集う西オーストラリア南方のワイナリーは、徐々に世界の注目を集めてゆく。世界中のブドウ品種が育ち、現代のテイストに合致する、ナチュラルでエレガントなワインの産地。価格も、品質と比べればかなりリーズナブルだ。日本のワインのプロたちが、この地のワインに魅了されていたったのは、欧米のワインの高騰化が顕著になった2010年代後半。同地で高く評価される「ロッククリフ」も2018年に日本上陸を果たした。

学者肌の男が直面したパンデミック

ところが、学者肌で地質マニアなスティーブ・ホール。元々、人とのコミュニケーションは苦手気味。パンデミックによって広大なオーストラリア大陸の流通が制限されると、ワイン造りがおもうに任せなくなり、人手・資材が不足してゆき、追い込まれていったという。日本への輸出も安定せず、地元では存続が危うい、という噂まで流れたそうだ。

しかし、本人は口下手でも、そのワインは雄弁だった。彼のワインを愛する人々は「ロッククリフ」を支持し続けた。

というわけで、ここ数年、いささかご無沙汰気味だった「ロッククリフ」の最新作が日本に帰ってくる。

まずはクラウドファンディングサイト「Makuake」にて、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランを中核とする、白ワインが複数登場。そしてスパークリングワインもラインナップ。これからの季節には特に好相性なワインたちだ。

プロジェクトURL:https://www.makuake.com/project/winelist4/

人気作『ピースフルベイ クラシックドライホワイト』の新作は2019年ヴィンテージ。シャルドネ87%、セミヨン7%、ソーヴィニヨンブラン4%、リースリング2%というブレンド。すいすい飲める

ちょうど、西オーストラリアワインが日本でのPR活動を活発化させたころに、パンデミックだったことで、まだまだグレートサザンの日本での知名度は高くないけれど、一度味わってみれば、なぜ、西オーストラリアワインが、そしてグレートサザンが、いま世界のワインのプロにもてはやされているのか、その理由が分かるはず。

筆者も個人的に、かなり再会が楽しみだ。