さすが、テクノロジーで勝負するドイツメーカーだ。金属工学の分野における専門知識により生まれた、特許申請中のブロンズ合金 は、なんと8分の1がゴールド。一般的なブロンズ合金に比べて肌馴染みが良く、海水に対する耐食性も向上。表面は酸化により変色していくが、その変色スピードは、通常のブロンズに比べて非常に緩やかなもの。付属の専用クロスでケアをすれば、簡単に黒ずみを落とすことができるという。

機能本位のデザインにブロンズ合金の柔らかな輝き

『T50.GOLDBRONZE』に採用された新素材ブロンズ合金「 ゴールドブロンズ125」は、従来のブロンズ合金である銅とスズのほか、ゴールドを12.5%混合した新素材。 一般的なブロンズ合金だと添加物として出現する、他のあらゆる金属を 0.002%未満の検出限界値まで排除し、海水に対する耐食性と肌への適合性を高めている。

何より、経年変化が穏やかというのが使い勝手が良い。育てる楽しみがありつつ、ケアに必要以上の時間を要しない。黒ずみに気づいたら、専用クロスでケアすればいいのだ。しかもゴールドを混合しているので輝きは気品に満ち、質実剛健さに偏ることなく、ウィークデイにも問題なく着けられる質感の高さを備えている。

文字盤にはスクラッチ加工による柔らかなテクスチャーが見られる

ダイヤルのスクラッチ加工(引っ掻いたようなテクスチャー)は、繊細さを表現。不規則なパターンが、光をランダムに反射する。光の加減や明暗の状態で、時計の異なる表情が楽しめるのだ。このスクラッチ加工は、職人が 一点一点手作業によって行うため、同じ外観は再現されず、 その意味で「T50.GOLDBRONZE」はそれぞれが1点ものとなっている。

設定時間を確実に読み取ることができるように、発光色の異なる 2 種類の夜光を採用。時針とダイヤル上のインデックスはグリーンに、分針と秒針、回転ベゼルのメインマークはブルーに発光する
リュウズは3時位置ではなく、4時位置に配置。これにより、手の甲にリュウズが当たりにくくなる

リュウズは、手の甲に当たらないように、4時位置に配置。ベゼルは誤操作を避けるため、”押してから回す”Sinn独自の特殊結合安全システムで固定している。また、500mの防水性能は船級・認証機関 DNVにより認証されたもの。新合金を採用しても、既存モデルからスペックダウンをしていないところは、いかにもSinnらしい。テクノロジーを前面に打ち出すブランドとしての矜持の現れだ。

『T50.GOLDBRONZE』自動巻き、ゴールドブロンズ125ケース、チタン製ケースバック、41mm径、500m防水、110万円(税込)、世界限定300本