神奈川県白楽の六角橋商店街のアンティーク・ヴィンテージウォッチ専門店「FIRE KIDS」が2023年3月、中野ブロードウェイに2号店をオープンした。
ヒストリカルな時計はココにおまかせ!
中野駅を北口を降りて中野サンモールに吸い込まれ、そのまま中野ブロードウェイに入ったら右に曲がって突き当りを左。
創業1995年。2022年3月に店舗を大幅リニューアルして波にのっているアンティーク・ヴィンテージウォッチの専門店「FIRE KIDS(ファイアーキッズ)」の2号店がそこにある。
本店を知る人ならおなじみのルックス。店先には、本店の人形とよく似た人形までいる。
中野店のオープンは2023年の3月。本店となる白楽の店のリニューアルの1年後に、いざ中古時計のメッカ、中野に殴り込みですか? とたずねてみると
「いえいえ。私たちは時計の文化、時計好きのコミュニティを支えていきたい。時計好きが集う中野には、こういう店の需要がある、時計好きにとって便利なのでは?とおもったんです」
と、真面目な答えが返ってきた。でも、中野といえば中古時計店はすでにいっぱいありますよね?
「それはそうなのですが、うちみたいなお店って実は、そんなにないんですよ」
どういうこと? と聞いてみると、こういうことだった。
中野の中古時計店が扱う時計には、新作に近い中古品が多いのだ。一方、FIRE KIDSが扱うのは1920年代から2000年頃の腕時計。実は、その時点で競合があまり中野にはいないのだ。
その上、「FIRE KIDS」はそういう古い腕時計のなかから状態のいいものを見極め、時間の経過による味わいは残しながらも、極力、オリジナルパーツで修理し、資産としてしまっておくのではなく、相棒として使うことを想定して、メンテナンスしている。
歴史的な時計、自分と同い年だったり、先輩だったりする時計が、自分の腕で動作している。FIRE KIDSが提案する時計ライフの面白さはそんなところにある。
扱う商品は、新品時点ではそれなりに量産されていたモデルが多いから、そういうものは価格が手頃なのも魅力。修理や定期的なメンテナンスの費用もリーズナブルだし、バックには歴戦の時計技師がついているから、よほど無茶な使い方をしない限りは、FIRE KIDSで買った時計は、FIRE KIDSがきっちり、いい状態をキープしてくれる。
たしかに言われてみると、そういうお店はあんまりなかったかも……
日本の時計を多数展示
中野店で面白いのが、シチズンやセイコーといった日本メーカーの時計が多いこと。あ、これって話に聞いたことがあるぞ! という、ちょっと知られた数ジェネレーション前の国産時計に出会える。
「中野は外国からのお客様が多いんです。そういう方はやっぱり世界中で知られた時計よりも日本の時計を面白がってくれるんですよね。それで、中野店では、国産時計を多く展示するようにしているんですよ」
日本の時計は、日本ではそれなりに流通しているものの、ちゃんとしたものを見つけるのは結構、手間がかかる。オークションサイトなどでは詳細な状態がわかりづらいし、たまたま見つけたとしても、販売者自身が時計のことをよくわかっていないことも少なくない。
「その点、我々はヴィンテージ・アンティークの専門家集団。かなりいい個体を販売しているとおもいますよ」
もちろん、現在もその最新形が造られ続けているような定番品も取り揃えているけれど、FIRE KIDSで、特に中野店で面白いのは、ほかではちょっと見かけない、そして、知る人には「おっ」となる、日本の歴史的モデルに出会えることだとおもう。
たまにリニューアル版が出たりすることもある時計のオリジナルバージョンが見つかることもある。
オープンしてまだ2カ月程度だけれど、評判は上々。場所がら、月の来店者数は本店を越えているという。時計愛溢れるスタッフとゆっくり話をしたい人は、人がいなさそうな時間を狙うことをオススメしたい。