かつて高級時計といえば、白文字盤・黒文字盤がスタンダードだった。ところが昨今は、カラー文字盤がトレンドとなっている。腕時計は個性を表現するアイテム……、ならば無難に何にでもコーディネイトできるものではなく、むしろその色を起点にして、自分を印象づけてしまおうという発想だ。そして、Bell & Rossから登場した最新カラーは、透き通った青空を彷彿とさせる、淡くて爽やかなスカイブルー。なるほど、コクピット計器にアイデンティティを求めてきたブランドだけに、空の青さとの相性がいいのも当然なのだ。

納得のカラーコード。加えて、シックな印象もプラス

航空界との結びつきのあるブランドらしい、意味のある色のチョイスである。他人に説明を求められた際にも、「航空計器をアイデンティティとしてきているから」「空の色だから」と、実にシンプルで歯切れがいい。サンレイ仕上げで自然光をキラリと反射する様は、まるで、空の青さを写す都会のビルの印象。そしてブランドアイデンティティを示す大胆なホワイト数字のインデックスが、スカイブルーとマッチしている。

この爽やかなスカイブルー文字盤が「BR 05」シリーズに新規追加されたことは、ブランドからのメッセージと捉えて間違いないだろう。コクピットの計器モジュール、すなわちユニット由来の角型ケースをベースに、4つ角を切り落として多角形にした「BR 05」は、アーバンスタイルを標榜するベル&ロスの最新コレクションだ。つまり、想定される使用用途はデイリーユース。このカラーコードを、いつも身に着け、個性を表現してもらうための新提案というメッセージである。

文字盤の外周、“フランジ”と呼ばれる文字盤とケースをつなぐ見返しパーツに、第2時間帯表示用の24時間インデックスを施している

しかも、このモデルはGMT表示機能付き。先端がホワイトアローとなっているGMT針を文字盤外周の24時間インデックスと合わせて、第2時間帯を読み取らせる仕様だ。この24時間インデックスは、サテンブラッシュ仕上げのロジウムプレート。スカイブルーとシルバーのツートンカラーによって強調され、第2時間帯が日中なのか夜間なのかを明示している。

また針とインデックスともに、スーパールミノバ® をコーティング。日中に吸収した光を暗闇で放ち、いかなる状況でも時刻を明確に視認できる。時刻を表示するための基本機能に優れ、第2時間帯表示機能まで併せ持つ、スマートにして優秀なモデルなのである。

ブレスレットタイプは、やはりエレガントな雰囲気。文字盤のスカイブルーだけが色彩を持つゆえに、ソフトな印象にまとまっている。一方で、ブルーストラップにより色彩が強調されるラバータイプはカジュアルな表情が強調され、インパクトのある印象となっている

ちなみに、このモデルは2種類のストラップを選択可能だ。ケースと一体化して手首のカーブにしなやかに寄り添う着け心地抜群のブレスレットタイプと、よりカジュアルにコーディネイトできるラバーストラップ。どちらもスカイブルー文字盤との相性が良いのはご覧の通りだ。