スーパータスカンのふるさとボルゲリは海に近い。

アンバサダー・プロジェクトもスタート

2020年ヴィンテージにはひとつニュースがあって「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア・アンバサダー・プロジェクト」というものが立ち上がった。

これは「海(オルネッライアにとってはボルゲリからちょっと西の地中海)」と「イタリアの素晴らしさ」を伝える試みで、イタリア全土から、料理の質の高さと創造性に優れたシェフをアンバサダーに選出し、ポッジョとの素晴らしいマリアージュを奏でる料理を考案するというもの。オルネッライアがチューリッヒで直営する「リストランテ・オルネッライア」のアントニオ・コライアッニ、トスカーナ州マリーナ・ディ・ビッボーナにある「ラ・ピネータ」のダニエレ・ザッツェリとアンドレア・ザッツェリ、カンパニア州ヴィーコ・エクエンセにある「ラ・トーレ・デル・サラシーノ」のジェンナーロ・エスポージト、ナポリ湾沖のカプリ島にある「イル・リッチョ」のアンドレア・ミリアッチョとサルヴァトーレ・エレファンテ、シチリア州シャッカにある「リストランテ・ザガラ」のエマヌエーレ・リッコボーノ、シチリア州タオルミーナにある「ラ・カピネラ」のピエトロ・ダゴスティーノ、そしてジェノヴァ州パラッジにある「ランゴステリア」のドメニコ・ソラーノが企画に参加している。

オルネッライアはポッジョとともに、このシェフたちの料理を紹介する『CONVERSATIONS BY THE SEA』という小冊子を送ってくれたので、筆者も、これに刺激を受けて、料理を頑張ってみようと、カニのビスク風のソースで大振りなエビを煮込んで、バヴェッテという平たい麺を絡めたパスタを作ってみた。が、ちょっとトマトを入れすぎたのが失敗だった……ダニエレ・ザッツェリとアンドレア・ザッツェリは同じ麺にイカとセージを合わせていた。

ダニエレ・ザッツェリとアンドレア・ザッツェリ

シェフたちのレシピを見るにトマトを入れるなら乾燥したもの、香味はナッツ、セロリ、フェンネル、クローヴ、パセリなどで、酸味が欲しいなら素直にレモンで行ったほうが、このワインとは合いそうだ。

ドメニコ・ソラーノ シェフも持っているエビはこのワインに合う。甘みを活かしても、塩味方面の旨味を活かしてもいい。

白ワインというと、赤ワインの前座的イメージを持つ人もいるとおもうけれど、ポッジョに関しては、特に2020年ヴィンテージは、前座から主役まで、さらに桃的な甘みを考えればデザートや食後酒までこなせる万能白ワインだ。

筆者は2本買って、1本は自分用に、もう1本はお世話になった人に、年末のギフトに送ろうとおもっている。