スイスの老舗時計ブランド、ロンジンが、人気のGMT機能搭載パイロットウォッチ「スピリット Zulu Time」にチタンモデルを追加した。2024年の新作として発表されたこのモデルは、軽量かつ堅牢なグレード5チタンを採用し、快適な着け心地と洗練された機能美を両立させている。
190年の歴史を背景にしたGMT機能の進化
1832年に創業したロンジンは、190年以上の歴史を誇る時計メーカーだ。航空時計と複数時間帯表示時計のパイオニアとして知られるロンジンは、早くも1908年にオスマン帝国向けにトルコ時間と西洋時間の変換機能を持つ時計を開発。1911年には2つのタイムゾーンを表示する懐中時計の特許を取得し、1925年には初めて第2時間帯を表示する腕時計シリーズを製作するなど、GMT機能の発展に大きく貢献してきた。
2022年に発表された「スピリット Zulu Time」は、こうした豊かな歴史を背景に誕生したGMT機能搭載のパイロットウォッチだ。文字盤に描かれた「Zulu Time」の文字は、飛行士や船員が使用する万国共通時刻を示す「Z」に由来している。
そして「スピリット Zulu Time」の特徴的な機能が、使いやすさを追求したGMT機能だ。リュウズを引くだけで時針のみを1時間刻みで動かせ、スムーズに第2時間帯の設定を行える。この機能は“フライヤーGMT”とも呼ばれ、新しいタイムゾーンへの更新作業もとても容易だ。
加えて、双方向回転の24時間ベゼルを回すことで、第3タイムゾーンを反映させることも可能。世界中どこにいても、簡単に複数の時刻を把握できる設計となっている。
グレード5チタンがもたらす快適さと機能美
2024年の新作「スピリット Zulu Time」チタンモデルの最大の特徴は、ケースとブレスレットにグレード5チタンを採用した点だ。この合金は、ステンレススティールよりも軽量で堅牢な特性を持つ。ケースサイズは直径39mm、厚さ13.50mmと、昨年リリースされた小径モデルのクラシカルなサイズ感を維持。チタン素材の採用により、より軽やかで快適な着け心地を実現している。
デザイン面では、サンドブラスト仕上げを施したアンスラサイトカラーの文字盤に、6時位置の日付窓、スーパールミノバ(R)加工を施したアプライドのアラビア数字、ゴールドカラーの針を配置。GMT針はマットブラックで、「Zulu Time」の文字とGMT針の先端矢印にはレッドカラーを採用し、シックなトーンにアクセントを加えている。
またベゼルは24時間目盛りを備えた双方向回転式のセラミック製を採用。マット仕上げのブラックとディープポリッシュ加工のブラックで昼夜の時間を表現し、機能性と美しさを両立させている。
高精度と実用性を追求したムーブメント
時計の心臓部には、ロンジン独自のGMTキャリバーL844.4を搭載。このムーブメントは、COSC(スイス公認クロノメーター検定協会)の公式認定を取得しており、高い精度を保証する。
特筆すべきは、シリコン製ヒゲゼンマイと革新的な部品の採用により、ISO764の基準値を大きく上回る耐磁性を実現している点だ。したがってデジタル機器に囲まれた現代の生活環境においても、安定した性能を発揮する。
さらに、約72時間のパワーリザーブと10気圧防水機能を備えており、日常使いから旅行、ビジネスまで幅広いシーンで活躍する実用性の高さも魅力だ。
ロンジンの歴史とGMT機能の先進性、チタン素材がもたらす快適さと機能美、そして高い実用性を兼ね備えた本モデルは、日常使いからビジネス、旅行まで幅広いシーンで活躍する、まさに現代のグローバル社会にふさわしい腕時計である。