シックな黒のニットを纏った男性の腕には、時代を超えた魅力を放つ腕時計が存在感を示している。シルバーとゴールドのコントラストが美しく、独特の形状を持つケースとバンド……このモデルは、クラシックなデザインに現代的なエッセンスを加えた逸品だ。ヴィンテージ感と先進性が絶妙に調和したこの一本は、まさに『シチズンコレクション』レコードレーベルが追求する"ポスト・ヴィンテージ"の世界観そのものを表している。

ハードボイルドを演出する、艶消しのゴールドベゼル

シチズン時計は、時代を超えた魅力を持つ新作として、シチズンコレクションレコードレーベルから、限定モデル『1984クロノグラフ AT2544-64E』を発売。世界限定1100本で、価格は3万6300円である。

シチズンコレクション レコードレーベルとは、部屋を流れるBGMのように、時間や空間を彩る腕時計シリーズ。シチズンの多彩な個性を記録(Record)し続ける、「インディーズスピリットを持ったウオッチ」だ。この限定モデルは、1984年に発売された多機能アナログクオーツクロノグラフ『スポルテ MS』を現代的にアップデートしたもの。昭和後期の世界観を"ポスト・ヴィンテージ"テイストとしてスポットを当て、デザインを蘇らせている。

『スポルテ MS』のケースからバンドにかけてのスタイリッシュなラインや少し武骨な印象を与えるベゼルの飾り穴処理は、この限定モデルでも健在。レトロな印象とクロノグラフのスポーティーさを同時に楽しめるルックスとなっている。

特筆すべきは、“昭和GOLD”をキーワードにホーニング処理を施して、渋さを演出している点だ。これにより金色の発色が落ち着きを見せ、控えめな印象を導いている。同時に、リュウズとプッシュボタンをミラー仕上げにして、視覚効果によるアクセントを付加していることも強調したい。

1984年にリリースされた『スポルテMS』オリジナル(非売品)

シチズンがレコードレーベルを通じてヴィンテージデザインを復刻させる背景には、世代を超えたノスタルジアを創出し、若い世代にレトロな魅力を伝えようとする意志が見える。80年代のデザインを現代の技術で再解釈することで、クラシックな美しさと先進技術が融合、ブランドの歴史を尊重しつつ、新しい価値を創造する試みに挑戦している。

往年の名作を現代的にアレンジしつつ、昭和レトロな雰囲気を醸し出すこの限定モデルは、クラシックな魅力と現代の技術を融合させた一本として、多くの注目を集めそうだ。

『1984クロノグラフ AT2544-64E』クオーツ、エコ・ドライブ(フル充電時約5ヶ月)、クロノグラフ機能、ケース(径38mm)とバンドはステンレス(一部めっき)、5気圧防水、3万6300円