去る6月22日、イングランドプレミアリーグのリバプールFCに所属する遠藤航選手によるサッカー教室「遠藤航カップ」が、横浜のAOBA SKY FIELDにて行われた。昨年に引き続きの開催で、参加対象は小学生。将来サッカー選手を目指す約150名の子どもたちが集まった。当日はベルギー1部リーグ、ユニオン・サン=ジロワーズで活躍する町田浩樹選手も参加して規模感もアップ。充実した大会となった。

サッカーのキーワードはコミュニケーション

 6月下旬、もはや真夏と思わせる暑さの中で「遠藤航カップ」は開催された。

 午前9時のスタートだが、1時間近く前から参加者が集まってきており、参加する子どもたちやその保護者の熱気で、会場の温度はさらにヒートアップしているように感じられた。

 グランドに集合すると、まずはチーム分けが行われた。低学年(小学1年〜3年)と高学年(小学4年〜6年)の混成チームがつくられた。試合が低学年メンバーによる前半と高学年メンバーでの後半の合計点で勝敗を決めることになっているからだ。参加者が約150名なので、12チームできることになる。

 チーム編成が終わると、フィジカルトレーナーの指示のもとに準備運動。ウォーミングアップが十分にできたところで、遠藤航先生の登場となった。

 名門リバプールFCのMF、日本代表のキャプテンとしても活躍する、もはや誰もが知るサッカー選手である。そして今回は遠藤選手からの誘いを受けて、ユニオン・サン=ジロワーズでプレーするDF町田浩樹選手も参加することになった。

 まず遠藤選手が暑さを気遣いながら挨拶する。

「初めて一緒にサッカーをする人もいっぱいいると思うので、積極的にコミュニケーションをとりながら楽しくサッカーをやって欲しいなと思います。僕も声をかけますし、何かあれば話にきてください」

遠藤 航
小学1年時にサッカーをはじめ、横浜市立南戸塚中学校に進学。2010年湘南ベルマーレに2種登録選手として登録され、Jリーグデビュー。11年トップチームに昇格した後、15年浦和レッズに移籍。18年シント=トロイデンVVへ初の海外移籍をはたす。20年にはVfBシュトゥットガルトへ移籍し、2年連続でブンデスリーガのデュエル王に輝く。23年6月に日本代表キャプテンへ就任。23年8月にはプレミアリーグの名門リヴァプールへ移籍する

 時間を間違えて集合の1時間前にきてしまったという町田選手も、

「みんなで楽しくサッカーができればいいなと思います。積極的に話をして、いろいろ学んでくれれば」

 と、冒頭からコミュニケーションの重要さを話してくれた。

町田 浩樹
茨城県出身。鹿島アントラーズを経て、2022年1月、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに期限つき移籍。23年3月完全移籍。5月ベルギーのクロッキーカップ決勝で決勝ゴールをあげ、優勝する

子どもたちは吸収力が高い

 チームに分かれて練習、そして試合をしていく中で、子どもたちも物おじせずに積極的に遠藤、町田両選手に話しかけている。サッカーという競技を通じて、すでにコミュニケーションの大切さは実感しているのだ。

 吸収力の高い子どもたちは試合がはじまる頃には、しっかりとチーム内での役割も決まっているようだ。

 試合がはじまると、やはりスキルの高い子どもがイニシアチブをとり、即席にしてはまとまりのあるチームがいくつか見受けられた。上手な子はかなりレベルが高い。

 猛暑にもめげず目を輝かせてボールを追う姿がみられた今大会。充実した時間を過ごせているようだった。

 そして、それぞれのチームが5試合を行い、すべての日程が終了すると再び遠藤選手がマイクを握る。

「試合では低学年は高学年を応援して、声かけあってやってるチームがほとんどだった。そういうコミュニケーションの取り方は大事だと思います。これから中学、高校とチームが変わっていきますし、コミュニケーションを取る大切さを学べたのなら今日はよかったんじゃないかと思います」

 町田選手も同様の感想を持ったようだ。

「サッカーをすることで、自分や仲間の特徴を知り仲良くなれるというのは、今後も必要となるので磨いていって欲しい」

レベルが高い充実した大会になった

 そして、質疑応答へ。まずはデュエル王の異名もある遠藤選手に「1対1で勝つためのコツは?」との質問が。

「僕が最近言っているのは、抜かれるのを恐れずに飛び込めということ。相手がボールを持っていても止まらないでアタックしていくことを意識していると、取れるようになるかなと思います」

 続いての質問は「街クラブでも日本代表になれますか?」

「なれます。僕も小学生の頃は地元のクラブでやっていて、中学も部活でした。高校から湘南ベルマーレに入りました。街クラブでも部活からでもサッカー選手になっている人はいますので、頑張ってやっていってください」

 最後に「海外でプレーしていて1番当たりが強かった選手は?」という質問に、遠藤選手は少し考え、ハーランド(マンチェスターシティ)、リバプールの同僚ファン・ダイク、コナテの名を挙げ、町田選手は元同僚でシュツットガルトのウンダフとの答えが。やはり具体的な選手の名前が出るとわかりやすい。

 その後、表彰式が行い、チーム毎に記念撮影をして「遠藤航カップ」はお開きとなった。

 最後に遠藤選手の大会を終えての感想である。

「子どもたちを見ていて面白かったですね。うまい子は、うまいし。レベルが高い大会になったなと個人的には思っています。昨年に続いてなんですが、ちょっと規模感が大きくなったり、来てくれる人数も多くなったので、嬉しく思います。またゲストで町田選手も来てくれましたし、これからもゲスト、人数も含めて数多く集まるような大会になってくれれば嬉しいです。それからこういうイベントをやってると、将来一緒にプレーできる日がくるかもしれない。そういう日が来るのを期待しています」

遠藤航の生き方、考え方に共感したGENOVA

 この「遠藤航カップ」を協賛しているのがGENOVAである。GENOVAは「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」というミッションのもと、メディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業を展開している企業だ。

 患者の医療に関する不安や不満を医療機関と協力することで解決するという会社だからこそ、コミュニケーションが重要となるサッカーとシンクロするのである。

 またGENOVAは『Medical DOC』という医療メディアを持ち、配信を行なっている。このメディアでは社会情勢の変化を踏まえた「子育て」に関連するコンテンツ配信などと共に、健康増進や健康維持に有効な「スポーツ」に関連するコンテンツも充実している。そして、多くのトップアスリートが出演して健康の増進や維持について、経験に基づいたトークを繰り広げているのである。

 遠藤航選手との縁もこの『Medical DOC』からである。

「子どもにスポーツをさせているというご家庭も多いと思いますが、体が完全に成長した大人とは違い、子どもは成長過程にあるため、スポーツへの取り組みにおいても十分な休息や睡眠が必要であることなど、トップアスリートである遠藤航選手ならではの具体的なお話しを大変興味深く聞かせていただきました」

 今回のイベントへの協賛についてもこう語る。

「小学生を対象としたサッカー教室「遠藤航カップ」の開催にあたり、“スポーツ”と“子育て”という観点からイベントの趣旨に賛同し、協賛させていただきました」

 イングランド・プレミアリーグの名門、リヴァプールFCの選手まで上り詰めた遠藤航選手の幼少期のスポーツ経験や体の成長について、また現在4児の父親でもある遠藤航選手の子育てへの考え方などを聞き、共感したのである。

 そして、このイベントを通じて子どもの体への理解がより深まり、子どもにスポーツをさせたいと考えている方の参考となれば、との願いも込められている。