2007年にNOMOSのエントリーモデルとして発表された『Club』が、初代オリジナルデザインへと原点回帰して再発売。発売当時、クラシカルなフェイスでありながらカジュアルな『Club』は、自由で、若々しく、スポーティーなのにエレガントというデザインが人気となり、ノモスを代表する存在にまでなったモデルだ。
基本デザインはそのまま、細部に繊細な変更を加え、視認性を強化
『Club re-designed』は、オリジナルデザインに機能向上のための微細な変更を加えたブランド初の試み。今回のリデザインでは数字をブラックで縁取り、サイズを大きく、アウトラインをはっきりさせることで、明るさが少ない環境でも時刻を読み取りやすくしている。さらに分表示のインデックスは外側に移動。時分針をより長く、幅は広くさせつつ、ポインタの先を狭くすることで、視認性を一段と向上させている。
かつての『Club』は、エントリーモデルであったために、ディテールへの追求よりも雰囲気のあるルックスに重きを置いていたが、こうして細部がブラッシュアップされることで、さらに魅力的なモデルへと生まれ変わった。
昨今では小径ボーイズサイズへの人気が高まっているが、その延長線上にはサイズに留まらず、敢えてベーシックなデザインを身にまとうことで、等身大の自分を演出したいとするニーズがある。その意味で、スクールアイテム的なベーシックさは、今のトレンドに合致する。そのうえ機能追求の意図を持つデザインのブラッシュアップが行われたことは、見た目にも、所有する満足感のうえでも大歓迎だ。かわいいルックスだけど、できるヤツ。そんなイメージなのである。
ちなみに、筆者のお気に入りは、ベゼルの厚み。風防を守るベゼルがガッチリとしている見た目が、スタンダード感を強調しているように思う。さらに、白地に黒インデックスで、赤針という配色も、純粋無垢で共感を覚える。
『Club』には様々なカラーモデルが存在するが、やはり永遠の定番的なこの白モデルが気になる存在だ。周囲に威圧感を与えず、いつまでも初心を忘れないでいたい、そんな気持ちを込めてこのモデルを腕にしたい。