2014年に世界最薄トゥールビヨンをリリースして以降、『オクト フィニッシモ』は現代のウォッチメイキングにおいて独自の地位を築いてきた。小型化技術の開発を重ねながら、デザイン的アプローチを組み合わせることで、現代のアイコンとしての命が吹き込まれてきたのである。そして今年創業140周年を迎えたブルガリは、オープンケースバックを通して裏側からムーブメントを鑑賞しているかのようなスケッチが描かれたタイムピースを発表した。
時計師の情熱をビジュアル化
イタリア語の「スケッチ」に由来するエスキスは、特にイタリアのルネサンス以降の美術の歴史を通じて、絵画、彫刻、建築などの分野で使われてきた。その理由はルネサンス期以降、イタリアのアーティストたちが資料として、さらには完成品をより良いものにするために、エスキスを大切に保管していたことにある。
そして今回、ブルガリのクリエイティブスタジオは、スケッチとムーブメントの裏側、さらにはアートとテクニックをダイヤル上で融合させる素晴らしい気づきを得た。『オクト フィニッシモ スケッチ 限定モデル』は2つのモデルから成り、ステンレススティール製のタイプが280本、ピンクゴールド製のタイプが70本限定となっている。
ダイヤルには、マイクロローター、脱進機、ブリッジ、ルビー、さらにコート・ド・ジュネーブ、サーキュラーグレインなどの複雑な仕上げのディテールまでもがユニークに表現。これらはブルガリ ウォッチ プロダクト クリエイション エグゼクティブ ディレクター、ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏が、メカニズムを事細かに描き込んだスケッチだ。生き生きかつのびのびとした筆致により「オクト フィニッシモ スケッチ 限定モデル」の主な特徴が描き表わされており、卓越した技術が芸術的に表現され、双方が見事に融合している。
ピンクゴールドのバージョンは、ポリッシュおよびサテン仕上げのケースとブレスレットから魅惑的なダイアルに至るまで、モノクロームの輝きを放っている。針とスケッチにグレーの濃淡がさりげなく取りこまれ、エレガンスさを高めている。まるでキャンバスのようなダイアルが、すみずみまで広くスケッチをすることを可能にしている。
同様にモノクロマティックなステンレススティール製バージョンは、よりモダンで都会的な印象を与えている。スケッチの背景はオフホワイト、針はチャコール、ケースとブレスレットはもちろんステンレススティール製。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げの相互に与える作用、そして特徴的なサンバースト仕上げのベゼルが、移り変わる光を捉える独特の輝きをもたらしている。
いずれも直径40mm、薄さ6.4mmで、自社製キャリバーBVL 138(厚さ2.3mm、自動巻き、パワーリザーブ60時間)を搭載。サファイアケースバックには、ブルガリ創業140周年を記念する「EDIZIONE LIMITATA」と「1884 - 2024」の文字がユニークに描かれ、ウォッチでありながら伝統と職人技を称賛するピースとなっている。
「オクト フィニッシモ スケッチ 限定モデル」