「wine@ EBISU」が1周年をむかえ、それを記念したスペインワインが登場した。日本のトップソムリエ、 井黒卓、櫻井一都がブレンドを手掛けたスペインの高級ワイン。本数はわずか140本！
バーゲンプライス
wine@ EBISUは東京・恵比寿の「ちょっとおもしろいワインバー」……なだけではなくて、ワインの敷居を低くしてワイン業界を活性化し、DXするプロジェクトの中核をなす施設として、2022年2月14日にオープンした。
そして、そのオープン時に、実は、1周年記念のオリジナルワインが仕込まれていたのだ、と、このほど、発表された。wine@はワイン業界のビッグネームが陰に日向に協力しているプロジェクトなので、1年越しで仕掛けたワインは、色々とてんこ盛りで、かなり豪華だ。
まず正式名称がすごく長くて
『アバディア・レトゥエルタ セレクシオン エスペシアル 2020 Blended By Wine@ Taku Iguro Kazuto Sakurai』
という。そして、この名称に、大体、事の成り行きが描かれている。
最初のアバディア・レトゥエルタ、というのは、スペインの「アバディア・レトゥエルタ」（ABADIA RETUERTA）というワイナリーのこと。地方的にはカスティージャ・イ・レオン州リベラ・デル・ドゥエロにあって、「スーパースパニッシュ」と呼ばれる、スペイン最高級のワインの造り手だ。
つづく「セレクシオン エスペシアル」は、英語でスペシャルセレクションだから、要するに「アバディア・レトゥエルタ」にスペシャルなワインをお願いしようとした、という経緯を表している。
そして、日本で長年「アバディア・レトゥエルタ」のワインを輸入する「ミリオン商事」の協力があって、2020年のブドウを使ったスペシャルセレクションが4本、日本に送られて来たという。それらはもちろん、普通に売られているワインではないわけだけれど、なんと、当初は中身が何なのかすら明かされていなかった。「この4本から好きなのを選んでね」というつもりだったのだろう。
ところが、これをwine@チームに、スペインワインのスペシャリスト、東京・大井町のワインバー「ロスビノス」のオーナーソムリエ 櫻井一都さんと、銀座の三ツ星「ロオジエ」のシェフソムリエにして、日本のソムリエ界の筆頭、井黒卓さんが加わったスペシャルチームがテイスティングしたところ、どれかひとつでは「アバディア・レトゥエルタ」らしさ、「wine@」の1周年ならでは感、さらに、実は「ミリオン商事」が創立70周年のアニバーサリーである、という世界観を表現するには、物足りない、となったそうだ。
結果、導きだされたのが、どれか一本選ぶのではなくて、これらをブレンドする、という方針。
井黒ソムリエが「ブレンドはベースを決めることから」として、それはテンプラニーリョ75％にトゥーリガ・ナショナル25％をブレンドしたワインとなった。これを全体の40％使う。ここに、メルロー100％のワインが加わり、骨格を与える。分量としてはこのワインが50％で一番多い。井黒ソムリエによれば「これ単体でもいいんじゃないか？」というほどに、このメルローは、ハーバルでセイバリー、奥行きがあり複雑で完成されたワインだという。
残り10％は、テンプラニーリョ50％、ガルナッチャ25％、マルベック25％のワイン。スパイス的にアバディア・レトゥエルタらしさ、複雑性と、唯一無二の個性をこのワインにを加える。
井黒ソムリエ、櫻井ソムリエとも、せっかくならば長期熟成するワインを狙ったとのことで
「良いワインだから若いときから、口当たりが柔らかい。若くてもひとつの飲み頃ではあります。ただ、ここからどんどん柔らかくなっていくはずです。それと比べるといまはまだ、力強い。3年、5年経つと、まとまりが出て、10年、20年と熟成するとおもいます」
ちなみに、熟成を重ねても、ボルドーのメルローのようなヨード感、土っぽいニュアンスは出てこないだろう、との見立て。それに対して櫻井ソムリエは
「今はメルロー強く、それは親しみやすさにもなっているけれど、スペインワインだから、熟成すると、絶対テンプラニーリョが前面に出ます。そして、トゥーリガ・ナショナル、ガルナッチャ、マルベックが壮大な香りや味わいを生み出す。その時、メルローは縁の下からストラクチャーを支える存在になるはずです」
スペインらしく、「アバディア・レトゥエルタ」らしいワインへと育っていくのだ……
さてさて、最後にお値段なのだけれど、そんな特別なスーパースパニッシュ、さぞや高級なのだろう。1万円？ 2万円？ とおもったら6800円（税込）とのこと。買える人はさっさと買おう！
