世界的パンデミックにもかかわらず、世界のアート市場は2020年から2021年にかけて29%成長し、市場規模は651億米ドル(約8兆1,611億円)だそうだ(The Art Basel and UBS Global Art Market Reportによる)。

ところが、日本のアート市場は2021年に2,186億円となり(『日本のアート産業市場調査 2021」』エートーキョー / 芸術と創造 による)、これはパンデミック以前との比較で数百億円規模の減少となっているという。

2021年11月に初開催された『アートウィーク東京』は今年、世界最大規模のアートフェア『アートバーゼル』と提携して、第2回目を開催する。

アートバーゼルとは?

『アートバーゼル』は、その名のとおりスイス、バーゼルで開催される現代アートのフェア。1970年からスタートして、世界最大規模を誇る。現在は、バーゼルのほか、マイアミと香港でも開催されている。このイベントは、いわゆる美術館やギャラリーで作品を鑑賞する、というところがメインではなくて、ここに集う世界的な影響力をもったギャラリーやアーティストが、特別招待されたコレクターとコミュニケーションをとり、作品を売り買いする、そして美術館や芸術機関をリードする専門家が作品に触れ、作品を知り、というところがメイン。

つまりアート市場のピラミッドの頂点が集う祭典がアートバーゼルなのだ。

日本と世界をつなぐ窓口

アートウィーク東京がこのアートバーゼルと提携した、ということは、この市場への窓口を日本にも造りたい、というおもいがあると想像できる。世界のアート市場への日本からの窓口であるとともに、日本のアート市場への世界からの窓口となることが期待されているのだろう。

実際、東京の老舗から若手まで現代アートを扱う41ギャラリーがこのイベントに参加する。

老舗「タカ・イシイギャラリー」にて2021年10月12日(火)から 11月7日(日)まで開催されたグループ展「YAKIMONO」

合計11の東京の有名美術施設も参加

とはいえ、アートウィーク東京は、一般にも開かれたイベントだ。現代アートの魅力をもっと知りたいという人々に向けて、オンライントーク・プログラムが実施されるほか、文化庁の助成を受け、主要なアートスポットを繋ぎ、車内での特別なアートプロジェクトも展開するシャトルバスの運行も予定されている。

昨年の様子:シャトル バスのルートマップを掲載したチラシ

また、41ギャラリーのほかに、昨年も参加している「アーティゾン美術館」、「東京国立近代美術館」、「東京都写真美術館」、「森美術館」、「ワタリウム美術館」、「東京オペラシティ アートギャラリー」の6つの美術館/インスティテューションは今年も継続参加。さらに「国立新美術館」、「東京都現代美術館」、「東京都庭園美術館」、「銀座メゾンエルメス フォーラム」、「資生堂ギャラリー」の5つがくわわっている。

シャトルバスの運行状況や、ルートマップ、会場案内を確認用に専用アプリも9月に登場予定。

開催は、2022年11月3日(木)から6日(日)の4日間。料金はギャラリー 41 軒と「銀座メゾンエルメス フォーラム」、「資生堂ギャラリー」が入場無料、その他美術館 9 館は「アートウィーク東京」の割引価格適用。VIPイベント参加者向けの有料パスイベント参加者向けの有料パスは9月以降に公式ウェブサイトから購入できるようになる。