次世代モデルへのフルモデルチェンジが推し進められているMINIシリーズ。2023年に登場した新型MINIカントリーマンに続き、基幹モデルとなるMINI 3ドアが10年ぶりに全面改良を受け、新たにMINIクーパー 3ドアとして3月1日に販売が開始された。日本におけるMINIの量産モデルとして初となるBEV(電気自動車)もラインアップされる。

MINI Cooper SE

カリスマティック・シンプリシティー

4世代目へと進化した新型MINIクーパー 3ドア。エクステリアは、クラシカルなデザインの円形ヘッドライトや4角にタイヤを配した独特なフォルムなど、MINIのDNAを継承しつつも、「カリスマティック・シンプリシティー」と呼ばれる新しいMINIのデザイン言語により、次世代モデルであることを象徴するミニマルなデザインに刷新。航続距離などに影響するエアロダイナミクスを追求し、デザインの細部に調整を加えているという。

MINI cooper SE

特にBEVの「MINIクーパー E 3ドア」「MINIクーパー SE 3ドア」では、ボンネット・スクープ、サイド・スカットル、ホイール・アーチといった加飾やロッド・アンテナなどが廃され、フラッシュ・ドア・ハンドルやフィン・アンテナが採用されるなど、クリーンなボディ表面が特徴となっている。

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一方、エンジンを搭載する「MINIクーパー C 3ドア」「MINIクーパー S 3ドア」については、BEVとの差別化を図るべく伝統のデザインコンセプトを踏襲。ドア・ハンドルやロッド・アンテナ、ホイール・アーチの加飾など、従来モデルの特徴が引き継がれている。

MINI Cooper S
MINI cooper S

新型MINIクロスカントリーでも採用された、複雑な八角形の輪郭を持つフロント・グリルはBEVとエンジン搭載車共通で、MINIが新世代へと進化したことを主張している。また、アイコニックなデザインのヘッドライトには、LEDシグニチャー・ライト、およびWelcome/Goodbyeライトを採用。シグネチャー・ライトは、前後ライトの点灯方法を3つのパターンからセレクトでき、その日の気分でカスタマイズが可能。Welcome/Goodbyeライトは、キーを持ったドライバーがクルマに近づいたり離れたりすると、前後ライトがまるで挨拶しているかのように点滅する、MINIならではの遊び心溢れる機能となっている。

MINI cooper SE
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シグニチャーライトの3パターン
MINI cooper SE
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解放感のあるインテリア

インテリアは、次世代のMINIらしくデジタル化が進められた。具体的には、ドライバーの正面に配置されていたメーターパネルは廃止され、運転に必要な全ての情報はヘッドアップディスプレイに映し出すことが可能に。このように従来のコンポーネントをそぎ落とすことによって、前方視界が開け、広々としたインテリアスペースを実現したとしている。

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一方、最先端の有機ELテクノロジーが採用された大型円形センター・ディスプレイには高感度タッチ機能が備えられ、スマートフォンと同様の直感的な操作が可能に。AR機能付きナビゲーション・システム、メディア、電話、エアコンなど、すべての操作をこの直径240ミリの円形有機ELディスプレイで行うことができる。

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サステナビリティへの取り組みも次世代MINIならではだ。例えば、ダッシュボードにはリサイクル・ポリエステルを使用した新素材を初採用。特別に開発された編み物を作るような製造方法により、手入れが簡単なうえ、布地のような温かみのある質感に仕上げられている。

インテリアにおける次世代MINIならではの装備として、新型MINIカントリーと同様にMINIエクスペリエンスモードを標準装備。インストルメントパネル上に最大7パターンの光のグラフィックを投影できる機能で、光のパターンやアンビエント・イルミネーション、そして新たに作られたMINIドライビングサウンドにより、インテリア全体の雰囲気を変化させることが可能となった。

さらに、個人の好みに応じてディスプレイの背後にお気に入りの画像を設定したり、流れている音楽に合わせたライトエフェクトが自動で選定されたりするなど、没入感のあるユーザー体験ができるという。

パワートレインはガソリン2種、BEV2種 ADASも充実

パワートレーンは、1.5リッターと2リッター2種類のガソリンエンジンと2種類の電気モーターの計4種類。エントリーモデルとなる「MINI クーパー C  3ドア」の1.5リッター直列3気筒ツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンは、最高出力115kW(156PS)/5,000rpm、最大トルク230Nm/1,500-4,600rpmを発生し、7速ダブル・クラッチ・トランスミッションを介して前輪を駆動する。

「MINI クーパー S 3ドア」の2リッター直列4気筒ツインパワー・ターボ・エンジンは、最高出力150kW(204PS)/5,000rpm、最大トルク300Nm/1,450-4,500rpmを発揮。MINI クーパー C 3ドアと同様に前輪駆動で、トランスミッションも7速ダブル・クラッチが組み合わされる。

BEVの「MINIクーパー E 3ドア」は最高出力135kW(184PS)、最大トルク290Nmを発生する電気モーターを前輪に、容量126.0Ah/40.7kWhのリチウム・イオン・バッテリーをボディ床下に搭載。0-100km加速は7.3秒、一充電での走行可能距離は305kmとなる。

ハイパワー版となる「MINIクーパー SE 3ドア」は、最高出力160kW(218PS)、最大トルク330Nmの電気モーターを前輪に搭載。リチウム・イオン・バッテリーの容量は136.0Ah/54.2kWhで、0-100km加速は6.7秒、一充電での走行可能距離は402kmを記録する。

先進安全機能やドライビング・アシストも、次世代MINIならではの最新システムを採用。MINIクーパー S 3ドア、およびMINIクーパー SE 3ドアには、高性能カメラ&レーダーやプロセッサーにより、精度と正確性が向上した最先端の先進安全機能であるドライビング・アシスト(アダプティブ・クルーズ・コントロール ストップ&ゴー機能付き)、レーン・チェンジ・ウォーニングおよびレーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキなどが標準装備される。

また、並列および縦列駐車を容易にするパーキング・アシスト機能、ペダル踏み間違い急発進抑制機能、車両が35km/h以下で直前に前進したルートを最大50メートルまで記録し、同じルートをバックで正確に戻ることができるリバース・アシスト機能などを備えたパーキング・アシスタントも、MINIクーパー S 3ドア、およびMINIクーパー SE 3ドアに標準で与えられる。

AI技術を活用したインテリジェント・パーソナル・アシスタントも次世代MINIならでは。従来の音声入力とは異なり、より自然な会話に近い言葉で、ドライバーの指示や質問を理解し、適切な機能やサービスを起動するほか、長く乗れば乗るほどドライバーの好みを学習し、ドライブにおける真のパートナーとしての役割を果たすようになるという。

Oliver Heilmer, Head of MINI Design

MINI カントリーマンにもBEVが登場

新型MINI クーパー3ドアにBEVが登場したのに合わせて、一足先にフルモデルチェンジを受けたMINIカントリーマンにも、2種類のBEVが追加された。

「MINIカントリーマン E」は、最高出力204kW、最大トルク250Nmの電気モーターを前輪に搭載。ボディ床下に収納するリチウム・イオン・バッテリーの容量は232.0Ah/66.46kWhで、一充電での走行可能距離は462km。

MINI Countryman SE ALL4

「MINIカントリーマン SE ALL4」は、最高出力190kW、最大トルク247Nmの電気モーターを前後輪に持つ4輪駆動モデル。システム・トータル最高出力は225kW、最大トルクは494Nmであり、0-100km/h加速は5.6秒を記録。リチウム・イオン・バッテリーの容量は232.0Ah/66.46kWhで、一充電での走行可能距離は433kmとなる。

価格は「MINIクーパー C 3ドア」が396万円、「MINI クーパー S 3ドア」が465万円、「MINIクーパー E 3ドア」が463万円、「MINIクーパー SE 3ドア」が531万円。一方、「MINIカントリーマン E」は593万円、「MINIカントリーマン SE ALL4」は662万円となる。

3月1日より全国のMINI正規ディーラーにおいて販売が開始しており、365日24時間利用可能なMINIオンライン・ストアからも注文が可能。