くすみやうるおい不足……。なんとなく感じる肌不調。40代を過ぎると、「ニキビできました」のような、見てすぐにわかる「THE不調」よりも、「あれ?」と思う「なんとなく変化」を感じやすくなる。そんな肌に一発逆転できる美容施術をご紹介します!
取材・文=橋本優香
そもそも美容大国・韓国で生まれた水光(すいこう)注射とは?
美容大国・韓国では、ツヤとハリ、透明感にあふれた美肌のことを、水光肌=ムルガンピブといいます。年齢を問わず誰もが水光肌を目指し、さまざまな治療法がありますが、その中でも、複数の極細針で皮膚の表皮のすぐ下にある真皮の浅い層へ薬剤を注入することを水光注射といいます。薬剤にはヒアルロン酸、アミノ酸、抗酸化成分などがあり、肌の悩みに合わせて医師が選びます。現在は、自動注射器を使用した水光注射では薬剤を均一に狙ったエリアに注入することができ、最近では痛みも大幅に緩和されています。確かに昔は驚くほど痛かったのを覚えています。
今、注目される再生医療「臍帯由来幹細胞培養上清液」とは?
ヒトの幹細胞を培養した際に生じる上澄み液のことを「幹細胞培養上清液」といいますが、幹細胞から放出されるメッセージ物質「エクソソーム」がシグナルを送っています。「エクソソームは、細胞間のメッセンジャーの働きを担い、修復が必要な場所に集まって、組織回復・機能回復に働くとされています」と山屋雅美副院長。今回、美容皮膚科タカミクリニックで採用したのは、臍帯。つまり、へその緒だ。
「臍帯由来幹細胞培養上清液に含まれる成分は実にさまざま。血管新生や炎症抑制に働き若々しい組織を維持するHGFはじめ、角質細胞の分裂活性により皮膚再生を促進するIGF-1、紫外線による皮膚の損傷・老化を抑制するTIMP-1など含有されており、これでもごく一部です。この成分によってひとつひとつの肌悩みだけではなく、ハリ、毛穴の引き締めから、うるおい補給まで肌全体の底上げができるのです」(山屋副院長)。ちなみにドナーは日本人、培養および製造も、日本国内で行っているものを使用しているそうです。
マルチに効く臍帯由来幹細胞培養上清液を注入したいけど、痛くない?
痛さに強い私もいざ、いざトライ! 使用するのは、先端に9本の極細針がついたスタンプ型の注入針で皮膚を吸引する機能が搭載された新型のマシン「ハイコックスインジェクター」。吸引しながら注入することで、液漏れをほぼゼロのレベルで薬剤を肌に届けることが可能といいます。「スピーディーに、より細かく多くの薬液注入ができます。また、ヘッドも小さくなっているため細部への施術も!」と山屋副院長。
もちろん、麻酔クリームは塗ってから始めるので、痛みはほぼ我慢できるものの、目の下や鼻の下などの繊細なパーツは鈍痛が走ります。顔にスタンプを押す感覚ではあるものの、痛みに弱い人は苦手かもしれません。
治療時間は、顔全体で30分弱。とはいえ、診察や麻酔クリームの時間を考えると、プラス1時間ぐらいは考えておきましょう。
施術後は翌日までメイクができないため、打つ日も、打つ時間も肝心です。おすすめは、何も予定を入れない金曜日の夕方。土・日はダウンタイムとしてネットフリックスなんかを楽しむのがベターだと思います。
ちなみに私の場合、翌日には針穴が気にならない程度にはなりましたが、よ〜く見ると針穴が残っていました!
推奨は2週間に1回で5回、1回でも十分、やる意味はある!
さて、効果ですが、正直施術した3日目まで効果を感じられませんでした。「あれ? 私には効果なかったのかな」って思った矢先の4日目、明らかにくすみが消え去り、肌にツヤが出てきました。
5日目には、「痩せた?」と何人かに聞かれましたが、おそらくハリの影響だと思います。確かには肌がキュッと上がったような感覚はあります。私の施術のピークは4日後に出ましたが、それも人それぞれ。
とはいえ、1カ月経つと、施術4日目のような感動は失せますが、何度か繰り返すと肌が定着してくるそう! あと、2~3回受けてみようと思います!