得意なジャンルは異なっても、メイクのトレンドを作りだしてきたヘアメイクアーティストが紡ぎ出すブランドは、今、とても眩しい。それぞれ一人ひとりが高い意識を持って、こだわりを光らせるブランドをご紹介。今回はトップ女優から絶大な支持を得るトップメイクアップアーティスト、水野未和子さんをフィーチャー。

文=橋本優香

「ひとり一人の顔のパーツの魅力を際立たせるのがブラシの役目」という水野さん

コスメの色やテクスチャーではなくブラシの役割を広めたい

 米国・オレゴンに留学後、イギリスに渡り、「London College of Fashion」でメイクアップを学んだ水野さん。フリーランスのメイクアップアーティストとしてロンドンでキャリアをスタートし、帰国後は多くの雑誌や、広告・CMを手掛ける人気アーティスト。

 長年、アメリカとイギリスに住んでいた水野さん。日本に帰国した際に「今年はどんなメイクが流行る?」「このリップの色は万人受けするね」という会話に少し驚いたという。「どうしてひとり一人の個性を大事にしないんだろう?」、「 日本人は、人からどう見えるかを気にしすぎて、メイクを楽しめていないのでは? 」と感じたといいます。

「カラーも質感もその人の個性。誤解を恐れずにいうと、カラーなんて自分が好きだって気持ちがあれば何だっていい。 それよりも、メイクの各プロセスの意味とかやり方を考えて工夫してみることのほうが大切だと思うんです。 それが自分の顔と向き合う時間になるから」

水野さんが大事にしているのは、“個性”。define brushというブラシを通じて、美容をもっと自由に楽しむ毎日にしたいという。自己肯定力を上げてくれるメイク本『ディファインメイクで自分の顔を好きになる』も好評発売中!

 そのときに必要なのがメイク道具といいます。

「もっとメイク道具に着目してほしいと思うんです。私の中では、20年選手のブラシもあるくらい。でも、よく考えたら、私が20年愛用しているブラシがあるということは、それだけ、ブラシなどの時が止まったままってこと」

 それが、ブラシを作ろうと考えたきっかけだったそうだ。

「その人本来の素材の魅力を際立たせるのがブラシの役目。プロのテクニックがなくてもどんな方も使い易いブラシを作りたいと考えましたが、年齢、性別、国籍関係なく使う、となったら長い道のりでした」