仕事をするのも、遊ぶのも、健康であるからこそ充実する。そのために日頃から何を心がけ、何をすればいいのか?2023年を迎え、この年中に還暦になる筆者は、編集、ライターという仕事柄、これまで不規則かつ不摂生な生活をしてきたものだ、と反省しながら、そんなことを考えていた。湘南エリアへ引っ越しすることは決めていたので、物件探しをしながら何ができるのかを具体的に考えはじめた頃、とあるイベント会場でヨガインストラクターの女性と出会った。そこでヨガの話や「最近肩が痛いんだけど」などといった身体の話をしているうちに、彼女となら何かできるのではという思いに至り、どうせなら企画を、と提案。彼女も快諾してくれて、今回の「チャレンジ企画」がスタートした。当初は「健康」に主眼を置いてやっていこうと考えていたのだが、健康とは身体へのケア、食生活はもちろん、精神的な部分も大きい。この歳になっても何かにチャレンジすることは健康へと通ずる、ということで、いろんなことにチャレンジしていこうと考えている。第1回目はヨガ。キッカケをくれたヨガインストラクターのTAKIさんを先生に、筆者がはじめてのヨガに挑戦する。
潮の香りと波の音だけが聞こえる空間
はじめてのヨガの場所に選んだのは、湘南・南葉山にあるスタジオ「海と森と」。通常はリトリートSPAを行っているところだ。窓の外は相模湾を西に望み、遠くに富士山まで見える。潮の香りと波の音だけが聞こえる最高の場所である。もちろん、筆者はそれどころではないのだが。
フィットネスウエアに着替え、緊張気味にTAKI先生(以下、先生)の前に座る。もう何度も顔を合わせ、知り合いと言っていい人からのレッスンなのに、妙に緊張するのだ。はじまる前から変な汗が噴き出てくる。
今回のレッスンは通常のレッスンとは違い撮影用なので、先生もテンポよく、撮影映えするポーズを矢継ぎ早に教えてくれた。初心者としては、かなりしんどいのだが、それは仕方ないと思って諦めることにした。
そして先生の次の言葉からレッスンがはじまった。
「都会で訛った身体をしっかり動かすことで、自然に触れ合うように、湘南のリズムに慣れていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします」
まずは呼吸法から。
「ヨガの呼吸法をやって行きます。右手をお腹の上に乗せてください。左手は鎖骨あたりに添えて行きます。鼻から吸う息で、まず、お腹、胸、鎖骨の順番んに膨らまします。吐く息はお腹がへこんで、下から上に向かって身体のさらに奥に溜まった疲れを絞り出すように。ご自身のペースで繰り返してみてください。お腹、胸、鎖骨の順番に膨らむように吸って、全部吐ききります。で、閉じた目は眉間のアジュナーチャクラに集中します。集中力を高めるエネルギーセンター。眉間のアジュナーチャクラ。ここをボヤッと閉じた瞼で見つめながら。少し呼吸に余裕が出てきたら、吸う息をお腹、胸、鎖骨、首から頭蓋骨に達するようにしてみましょう」
◆アジュナーチャクラ:眉間のチャクラ、アージュニヤーとも呼ばれ、目に見えないものを感じる直観力を司る第三の目とも呼ばれます。眉間の真ん中にあるこちらの内分泌腺は脳下垂体で、全身のホルモン分泌に関わる役割があり、自律神経視覚、脳などとも関連します。
言われた通りやっていると、スーッとリラックスできている感覚になった。緊張も幾分ほぐれたようだ。ちゃんと呼吸法を身につけると、身体にも、心にも、良い影響を与えるんだ、ということを感じた次第である。
「それでは早速身体をほぐして行きます。マットの後方に座って、踵の上にお尻を乗せます。膝を拳ひとつ分。これを割座のポーズと言います。そのままゆっくり身体を前に倒れるようにして。これをリラックスのチャイルドポーズ。床につけても苦しくなければ、踵の方にお尻をゆっくりと落としていって、背中に息を吸うイメージで、身体の背面を意識的に観察していきます。背中の凝りやハリを感じたり、呼吸が入りづらく感じるかもしれません。それらについても良い悪いのジャッジをせず、ただ、今の自分のカラダの状態はこうだなぁと感じるだけです。そして背中から息を吐く様なイメージで心地よく心身を自由に解放していく準備をします。」
これは背中が伸びてなかなか気持ちいい。背中を意識すると背筋がシャキッとした感があって、よりリラックスできたような気がする。
猫の連続ポーズ
「そして、四つん這いで、猫の連続ポーズっていうのをやって行きます。肩の真下に手首が来るようにして、足の付け根の真下に膝が来るようにセットしてください。肘を張りすぎないように。では、鼻から息を吸いながら、背中の肩甲骨を寄せて。上を向いた猫です。肩甲骨を寄せながら、少し骨盤が反って行きます。腰でグイって行かずに、背骨を意識して、自然にお顔を前に向けて胸が開きます」
「そして息を吸います。で、吐く息とともに手で床を押して、背中を丸めます。肩は下がって、お臍をグッとお腹の中に入れ込んで。これは下向きの猫なので、イメージとしては、背中をグーっと丸めている猫のような姿勢になってください。手の位置は変えないでください。そして、もう一回、息を吸いながら、さっきのように肩甲骨を寄せます。上向の猫です」
「では、動きをプラスして行きます。ここからつま先を立てて、ちょっと腹筋にスイッチを入れて、下を向いた犬のポーズです。お尻を後ろにグーっと引きます。で、踵を床に下げつつ、お尻は天井の方に残してください」
側から見ると簡単そうに映る。実際に筆者も写真や動画で見たときは「簡単」だと思っていた。だが、実際にやってみるとなかなか大変である。やっているうちにさらに汗が吹き出し、スタジオ内は波の音に混じって撮影スタッフからの笑い声が聞こえるようになった。こっちはそれどころではないのだが。
この猫のポーズ、下を向いた犬のポーズはどんな効果があるのだろうか。
◆猫の連続のポーズ(キャットアンドカウのポーズ):肩甲骨、背骨周辺を動かしてほぐすポーズです。首こりや背中のコリの解消、自律神経のバランスを整えます。
◆顔を下に向けた犬のポーズ:背中を伸ばして血液やリンパの循環を良くします。足のむくみや疲れの解消にも効果的です。
チャレンジしてみましょう
そうこうしているうちに先生が「ちょっとチャレンジしてみましょう」と言い出した。何をするのだろう?こちらは今までの動きでもいっぱいいっぱいなのに。
「息を吸いながら、右足を天井に向かってあげます。あげる足にフォーカスしないで、左の足をしっかり床を踏み込んでください。その足、右膝を曲げてつま先を左側に向けて行きます。右の骨盤は開くのですが、両手にかかる重心は均等のままで行きましょう。では、そのまま右膝を曲げて、手と手の間に置きます。で、左足を後ろにまっすぐ伸ばして行きましょう。身体をちょっと前に、ゆっくり緩めます」
これは関節という関節が痛い!日頃やっている人との差がはっきり出るポーズだ。これは写真で見ても「簡単だ」とは絶対に思えないやつ。写真を見ても先生との差がはっきり!本人的にはもう少し足が上がっているつもりだったんだけど、全然上がってないので愕然とする。
関節の痛さに泣きそうになっていると「くつろいでください」という声。ほっとひと息つこうとしていると次に移る雰囲気。「くつろいでください」はなんだったんだ!と思いながら次に。
「息を吸いながら身体を起こします。そこから一回、両手で床を押して。お臍を縦に伸ばすイメージで、少し胸を上げます。吐きながら長い背骨で前へ向かって行きます。背骨のつなぎめをどんどん長くしていくような気持ちで、身体を前に倒して行きます。腰を詰めないようにします。両手はリラックス。さあ、リラックスして呼吸してください。息を吸いながら上体を起こして行きます。次の動きに行きますね。後ろに伸びている左足を右の腿の外側にクロスして立てて行きます。では左お尻を床に下ろして、左右のお尻が均等になるように」
ここで「結構柔らかいですね」と褒められた。いい気分になってると「もっと硬くて面白いところを見たかった・笑」と先生からドS発言が。確かに企画的にはできない方が面白い。でもこっちも必死でやっているんだけど。。。
最後まで持つのかな、と不安になった筆者は、ちょっと手加減してもらえたらと「実はめちゃくちゃ痛い」と実情を話した。すると「じゃあ、転びそうなぐらいユラユラしてもらいましょうか(笑)」と返り討ちに。なかなか怖いことを言われながら次のポーズへと移っていった。
息を吸いながら胸の中心をパカーンと開く
「足を肩幅くらい開いて。息を吸いながら、胸を開きます。で、吐きながら胸の中央に戻ります。この呼吸は息を吸いながら胸の中心をパカーンと開いていきます。で、お臍をちょっと締めながら肩の力を抜いて行きます。繰り返します。息を吸いながら胸をゆったりと開きます。吐きながらお腹を締めます。肩はリラックスしてください。息を吸いながら胸を開いたところでストップ」
「左のつま先を90度外に。右のつま先をやや内向きにしてください。そのまま息を吸って、吐きながら、左足の方に膝を伸ばしたまま。お胸を開きます。もう少し前の膝を伸ばします。続きますので、呼吸してください。さっきやった呼吸法を忘れないで行きましょう。前の膝を伸ばしてください。天井をみましょう。息をしてください。で、吐きながら、上の手をクロスして小指側に置きます。そうするとクロスした手で足を挟んでいる。ここからチャレンジ行きますよ。親指側に置いてる左手ですね。これを天井の方に上げて行きます。ツイストトライアングル。捻り三角のポーズです。できてる!」
“できている!”のお言葉は嬉しかったが、それどころではない!めちゃくちゃ痛い!どこが、ではなく全体が。と苦しんでると「どんどん動きのあるポーズをやっていきます」という声が!最後まで持つのか、不安になる。
◆三角のポーズ:腕から脇腹にかけて体側がしっかりと伸びるポーズです。シェイプアップも期待出来ますよ。
◆捻り三角のポーズ:下半身を安定させて上半身を捻る事で内臓を刺激します。バランス感覚も養われます。
「ここから猿のポーズをやっていきます。息を吸いながら両手を前から後ろ。耳の後ろに腕がいくような気持ちで。その時、上半身を前に伸ばしながら一回腿の上に着地します。着地したら、後ろに腕を振り上げて、首は長ーい状態。ちょっと連続でいきます。息を吸いながら、そこから上に向かってお臍を縦に合わして行きましょう。吐きながら両腕を前に伸ばして。腿の上に胸が乗ったら、腕だけ後ろに振り上げて行きましょう。では、そのまま手を足の内側に。そのまま膝を伸ばして。後ろにお尻を引いて、左足のストレッチです。膝を伸ばしてつま先を天井。上体を少し下げてストレッチしてください。では、ゆっくりと元の位置に戻ります」
◆猿のポーズ:猿のポーズは肩や背中、腰をスッキリさせ、股関節も柔らかくします。
シンプルな前屈が一番痛い!
ほっと一息ついてると「両足、閉じれますか?」と。続いて「シンプルな前屈です」という。これが一番痛いかも、と思いながらやってみると、やっぱり痛かった。若い頃はもっと曲がったのに、と思いながら、年齢をあらためて感じることになった。
「息を吸いながら両腕をお腹から伸ばして、吐きながら、できるだけ遠く、前をたどるように前屈して行きます。前屈したら、上半身の力をブラーんと抜いて、ちょっと指先がつきますよね?じゃあ、いま足の裏に均等にある重心をつま先よりにゆらーっと移動させて、腿裏を一回伸ばします。呼吸してください。では、足の踵に重心を戻したら、両手を後ろ側に回してふくらはぎを掴みます。吐きながら太ももに胸が近づくように」
単純な姿勢だが、先生との差が明確過ぎて、ここでもかなりの笑いが起きる。こっちは痛いのでそれどころではないが。
◆立位前屈のポーズ:ハムストリング、お尻、背中のストレッチになります。首や肩周りの血行促進になります。
それが終わったら、胸を開くだけのストレッチ。これは気持ちいい!とリラックスしてると先生から「次、ヘッドスタンドしますか?」と。
何ですか?それ
「頭で立つポーズ」
「逆立ちでしょ?無理」と言いつつも、「教えてもらえばできるかも」という甘い考えも過り、結局やることに。
「ヘッドスタンド行きますね。肘をクロスして、両手をバスケット型にします。そこに、頭のてっぺんを乗せていきます。頭のてっぺんがカゴにあるので、床についてるのは頭の生え際です。頭頂部についたら、足が上がった時に後ろにドロップするので。カゴに頭のてっぺんをつけたら、オデコの前髪の生え際のところがマットについています。膝を床から浮かします。つま先で床を押してまず右足を!できましたよ。ゆっくり降りてください」
一応、先生の補助付きで、ヘッドスタンド成立、と思いきや、腰の位置がダメらしく正確には成立はしてないとのこと。その後、自力で、と言われてチャレンジしてみたが、向こう側に倒れたらどうしよう、という恐怖心が先に立ち、できなかった。ひとりでできると気持ちいいだろうな、と思う。これをまず目標に頑張ってみようとも思った。
◆ヘッドスタンド:ヨガのアーサナの王様と言われ、心身共に強化されるポーズです。これは中級者以上向けもポーズです。今回は取材という事と、福留さんが動ける方なのでチャレンジしますが、初心者は細心の注意を払って、ヨガの練習を積み重ねた上で、少しずつ取り組むようにしてください!また、背中や首に故障がある、頭痛がある、緑内障など目の疾患、心臓に疾患がある方などは避けて下さい。
身体を緩めるのも大事!
「では仰向けになって、身体を緩めましょう。膝を立てて、左右に膝を揺らします。他は膝と逆の方向に。首も交互に。膝と逆に。この時にチェックしていきたいのが、腰に痛みがないか、背骨の周り、頚椎、首ですね。では一旦、両膝を抱えて、両膝を伸ばします。開脚してみましょう。両足を天井に。足をガバッと大きく開いて、太ももの内側をサポートします。股関節を緩めます。で両足、膝を抱えて、ゆっくり回していきます」
これは気持ちいい!そして、余裕ができたからか、潮風も気持ちいい!
「では膝を立てたスタートポジションになってください」
まだやるんだ⁉︎ ゆっくりしてきたので終わりかと思っていたが、TAKI先生は容赦なかった。
「今度はお尻を上げて、お顔はセンター。両手は床に解放してください。呼吸します。では両手を背中に添えて、床についてる肘をちょっと寄せていきます。肩甲骨を絞る感じ。次に両足同時でも、片足ごとでもいいので、天井に向かって。今度はショルダースタンド」
◆鋤のポーズ:身体の力を抜いてリラックスして行います。背骨を柔軟にするポーズです。神経を鎮める作用もありストレスを軽減します。
◆肩で立つポーズ(ショルダースタンド):逆転する事で血行促進、甲状腺や腹部を刺激しホルモンバランスを整えます。
「首を動かさないで、中央に置いたままで、呼吸しましょう。では、右足を頭の方に降ろします。足をスイッチします。左足を今度はダウン。そしたら上がってる右膝を曲げてみましょう。先に右足を床の方に着地。右足着地、左足着地。上から背骨をロールダウンしていきます。一回腰を抱えてください。そのまま膝を立てて、指先を肩の方に向けて。踵はしっかり床を押せるようにして。そのまま頭頂部を床につけるようにしてブリッジ。そこから両手で床を押して」
これ以上無理!「背中が硬い」ということで、ブリッジは断念。
楽しくなってきたでしょ
かなり疲れた。そろそろ限界だな、と思ってると「まだ木のポーズやってないですね、楽しくなってきたでしょ」と笑顔の先生から恐怖の声が。ここまできたら最後までやりますよ、もちろん!ということで、木のポーズをやることに。
「肩の力を抜きましょう。体が歪まないように、股関節から右足を上げます。そのまま外側に、脹脛の下に。そうそう。目線はそのまままっすぐに。そのまま、左足で床を押すから、体が伸びていきます。一旦、左膝を軽く曲げてみます。反対側もやってみます。右足を軸にして、左足をふくらはぎの内側に。膝の内側に。足が床を押すと安定します。遠くをみます」
「床を押すから身体が伸びる」という感覚はこれまでになかった。言葉を聞くと、なんだか矛盾しているが、確かに伸びていく感じはわかってきた。
◆木のポーズ:身体の重心を感じながら背筋を伸ばしバランス感覚を養います。足や足首を強化します。
「では身体をセンターに戻していきます。右のお尻のストレッチをしますね。立てた左腿の上に、右足首の外くるぶしを乗せてください。右手は前から右足の中をくぐります。左手も、右手も腿の裏に。身体の方に左腿を引き寄せて、右膝をちょっと身体から遠ざけて、反対の左の腿を引き寄せることで、股関節が気持ちよくストレッチ入りませんか。右のお尻が。手はゆっくりと軽く押します。左足を上げて、吐きながら、身体の方に引き寄せます。右足を床に伸ばして、頭を伸ばしたところでキープしましょう。首を緩めて呼吸します。では上げた左膝を曲げて、腰から下を右に倒します。左腕を横に開いて、お顔も左に。楽に呼吸してください。左手を私の方に。左の胸に息を入れて、吸います。吐く息で左の肩甲骨を床にもう少し下げていきます。胸と背中の凝りを解消していくストレッチです。息を吸いながらセンターに戻って、左のお尻のストレッチ。立てた右膝に、左足首の外くるぶし。左手で、左の足の間。両手は右の腿の裏側に。頭を下げて、少し右の腿を身体の方に引き寄せます。左の股関節はちょっと外に。身体から遠ざけます。リカバリーストレッチです。ちょっとハードだったけれど、これで大丈夫だと思います」
ポーズはなかなかキツいものがあったが、ストレッチは気持ちがいい。ポーズの後にストレッチができるんだったら僕でもやっていけるのではないか、と思った。そして、シャヴァーサナ、屍のポーズへ。これは通常のヨガクラスでは「5分以上、10分くらい」かけてやるそうだ。
「足の付け根から軽ーく揺らして、お尻、腰も背中も、首も、右、左。以上がないか、確認してください。そのままお休みしていただきます」
そう言われながら屍のポーズに。
「身体が雲に浮くように軽ーくなり、吐く息で身体はキレイな水になって、大地に溶けていきます。全身が心地よくリラックスしていきます。つま先、足首、膝、腿、骨盤、お尻もリラックス。お腹、胸、腰、背中もリラックス。手の指、手首、肘、腕、肩もリラックス。喉、首、顎、唇、ほっぺた、耳もリラックス。鼻、目の奥もリラックス。眉毛、眉間もリラックス。おでこ、頭もリラックス。それとともにマインドもリラックス。日々の不安やさまざまな考えから解放され、気持ちよーく、自分の呼吸だけに意識を向けて、大きく、気持ちよーく」(鐘の音が3度鳴る)
鐘の音とともに目を開くが、これで終わりではなかった。
「ではもう一度身体に意識をを戻していきましょう。大きく息を吐き出しながら、手の指、足の指を開いて。足の付け根から腿にゆっくり揺らします。ゆらゆらゆら。そのまま両足をそろえたら頭の上で組みましょう。目覚めの伸びです。息を吸いながらお腹から伸びて。つま先、もう少し遠くです。吐いた時は、思いっきり脱力して吐き出します。腕を身体の横に戻していきましょう。両膝を立てて、まず身体を横にゴロンと倒してください。ちょっと背中を丸めて、頭が最後になるようにゆっくりと座りましょう」
最後に坐骨を整える
そして座り直し、先生と正体する。
「足を軽く開いて。右の踵はこのまま正面に、左の踵は腿と脹脛の外側に」
これはできない!昔から。なので普通の胡座にさせてもらった。
「ちょっと坐骨を整えます。人差し指の先を親指で押します。閉じた目を眉間の・・チャクラに集中して。鼻から息を吸って、吐きます。新しい酸素とエネルギーに満たされるのを感じる。胸の前で合掌します。どうもありがとうございました!」
今回は撮影用もあったので、TAKI先生に特別メニューを組んでもらった。「駆け足だった」というように、流れるようにポーズが変わっていったので、ついて行くのに必死だったが、いい汗をかいたな(かき過ぎ説もあるが)と自分でも思う。
考える暇がないから必死にやるしかない。無の境地には程遠いけど、邪念の多い僕みたいな人間にはちょうど良かったのかもしれない。そこそこ痛かったりしたのだが、終わった後はスッキリ。これもヨガの良さなのだろう。
これだけ痛かったので、明日か明後日は筋肉痛だろうと覚悟していたのだが、リカバリーストレッチをやってもらった効果なのか、まったく筋肉痛がなかったのも驚いた。ちょっと続けてみるのもいいな、と珍しく思った。
これからも「チャレンジ企画」として、さまざまなことに挑戦していく企画にしたいと考えている。今後も今回先生を務めてくれたTAKIさんが、一緒にこの企画に参加してくれるということなので、いつも身体をケアしているスポーツウーマンのTAKIさん45歳と、まったく何もしていない筆者60歳との対比も楽しんでいただければと思っています。
次回、第2回はイタリア発祥、日本では湘南・鵠沼海岸ではじまったというビーチテニスを予定しています。
衣装提供:ニューバランスジャパン https://company.newbalance.jp/撮影協力:海と森と https://umitomorito.com