2022年12月、オーデマ ピゲは「 CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール」を発表した。

 本モデルは、針を使用せずに時刻表示をする「ヴァガボンドアワー」と呼ばれる、独特の時刻表示を持つ。17世紀に懐中時計で採用されていた技術だ。孤を描く分目盛のセクターの上を3つの独立した円盤が回り、時刻を表示するコンプリケーション。神秘性さえ感じさせる風変わりなデザインは、20世紀には見られなくなってしまったが、オーデマ ピゲはこのシステムのメカニズムを1991年に復活。「スターホイール」の名で、2000年代初頭までに多くのモデルが誕生した。

 そしてこの度、このスターホイールが再び登場し、コンテンポラリーなデザインの「CODE11.59 バイ オーデマ ピゲ コレクション」に加わることとなった。あまり広く知られていない、クラシックな佇まいのディスプレイが印象的なモデルとなっている。

『CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール』は、ダイヤルの3枚のディスクの下にブルーアヴェンチュリンの宇宙が広がり、ディスクはダイヤル上をまるで惑星のように自転する。3枚のディスクはいずれもアルミニウム製でやや曲面がついており、ブラックのPVD加工を施し、オパーリンを被せたマイクロビーズ仕上げ。ヴァガボンドアワーの「時」の数字はディスクの上にホワイトでトランスファー印刷されている。

 一方、10時から2時位置まで120度に開く孤を描くセクター、そしてフランジはどちらもブラックで、分の数字と目盛がホワイトでトランスファー印刷されている。

ダイヤルに用いた新素材にも注目

 41mmの新リファレンスにはアヴェンチュリン、18Kホワイトゴールド、ブラックセラミックが使用されている。素材の対比によって、本コレクションの複雑なデザインがより効果的に強調され、マニュファクチュールのシグネチャーである洗練された手仕上げによって、美しく光がきらめく。ベゼル、ラグ、ケースバックには18Kホワイトゴールドを使用し、ブラックセラミックのミドルケースとの対比が映える。

 加えて、リューズもブラックセラミックを用いることで、存在感をアピール。ゴールド部品と同様、セラミックのミドルケースもポリッシュとサテン仕上げの組み合わせを多用し、美しいディテールで全体を包み込んでいる。

伝統的なメカニズムを刷新した、最新ムーブメントを搭載

 本作では、スターホイールの伝説的なメカニズムを刷新。自動巻きキャリバー4310として「CODE11.59 バイ オーデマ ピゲコレクション」に搭載。この最新ムーブメントは、キャリバー4309に新たなモジュールを加えた派生機である。

 時計づくりの技術と伝統のノウハウを融合させたこのムーブメントは約70時間のパワーリザーブを保持し、洗練された手仕上げに包まれている。アワーはアルミニウム製の自転するディスクが3枚付いており、3時間で1回転するセントラルローターにより表示される。

 ディスクには1から12までの4つの数字がそれぞれ印刷され、分目盛が印刷されたダイヤル上部の孤のセクターに時刻を表示する。18Kホワイトゴールドの秒針は、ディスクの曲面に合わせて先端がややカーブしており、クラシックな方法で秒を示す仕様となっている。