第4世代へアップデート中のMINIシリーズは、すでに『COUNTRYMAN(カントリーマン)』と『COOPER(クーパー)』を発表しているが、これらは3世代目にも存在したモデルの世代交代。しかし、2024年4月24日に、中国「北京国際モーターショー(Auto China)」で世界初公開となった『ACEMAN(エースマン)』はこれまでにない新モデルだ。2024年6月6日(木)この『MINI ACEMAN』が日本でも発売となった。

価格は491万円から。外部給電可能

ビー・エム・ダブリュー株式会社は、新型MINI 第三のモデルとして電気自動車専用モデル『MINI ACEMAN(ミニ・エースマン)』の、全国MINI正規ディーラーでの注文受付、およびMINIウェブサイト(https://www.mini.jp)でのプレオーダーの受付を開始した。納車は、2024年第四四半期以降の予定。希望小売価格はスタンダードモデルの『MINI ACEMAN E』が491万円から、出力・トルク・バッテリー容量が大きい『MINI ACEMAN SE』が556万円からだ。外部給電機能がつくため自治体の補助金等が期待でき、かつ「MINI ALL IN.」という、月々48,000円からの定額払いの購入プランも用意されている。MINI ALL IN.には車両価格のほか、税金、登録諸費用、メンテナンス保証、自動車保険がセットになっている。

MINI ACEMANは、これまでのミニには存在しなかった名称をもった電気自動車専用モデルであり、ボディサイズは全長4,080mm、全幅1,755mm、全高1,515mm。4ドア+ハッチゲートというスタイルのクロスオーバーで、既にモデルチェンジしている『MINI COUNTRYMAN(カントリーマン)』と『MINI COOPER(クーパー)』の間のサイズだ。

左からMINI COOPER、MINI ACEMAN、MINI COUNTRYMAN

インテリア、エクステリアのデザインは当然ながら新型MINI ファミリーの「カリスマティック・シンプリシティー」というデザイン言語を踏襲している。ただし外観にはCOOPERよりは力強いが、COUNTYMANよりは控え目といったキャラクター性がある。

発表会にはMINI本社から、MINI全体のインテリアデザインの責任者Sebastian Kroes氏が来日し、解説を行った。

Sebastian Kroes(セバスチャン・クリュス)氏

Krose氏はオリジナルMINIのシンプルなインテリアをデジタルテクノロジーを組み合わせて現代化しつつ、クローム・パーツやレザーを排除し、リサイクル・ポリエステルやリサイクル・アルミニウムを使って高品質に仕上げていていることをあらためて解説。

240mmの円形センターディスプレイ(タッチ対応)に情報が集約される新型ミニのインテリア
セバスチャン・クリュス氏による新型ミニのインテリアデザインの見どころとして、ダッシュボードのファブリックの処理がプリントではないこと
ステアリングホイールのストラップ
シートのパイピングが挙がった

興味深いのは、全車標準装備の「MINIエクスペリエンス・モード」に関して、「サウンドは、ドライバーとクルマのエモーショナルなつながりを生む。アクセラレーションやブレーキングの感覚をより高める」としていくつかのユーザーが選択可能なサウンドを紹介したこと。光のパターンとアンビエント・イルミネーションによってインテリアの雰囲気を変えるのは、すでに定番化した感があるが、MINIシリーズは状況や好みに応じて効果音も選択でき、MINIの売りであるカスタマイズ範囲の広さがデジタルテクノロジーと発想によって、より広がったと感じる。

センターディスプレイ下には、あえて、クラシカルなスイッチ類があり、そのうちのひとつがEXPERIENCESに割り当てられている

ほか、実利的要素としては、より精度と正確性を高めたレーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付)、レーン・キーピング・アシスト、クロス・トラフィック・ウォーニング(リア)機能を含む先進安全機能ドライビング・アシストを標準装備。MINI ACEMAN SEではアクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)も装備している。

パーキング・アシスタントは2モデル両方に標準装備。車両の周りの状況が確認できるサラウンド・ビュー機能、並列および縦列駐車を容易にするパーキング・アシスト機能、ペダル踏み間違い急発進抑制機能に加え、車両が時速約35km以下で直前に前進したルートを最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となるリバース・アシスト機能が採用されている。日本に多数点在する細い道での対向車とのすれ違いに困った際など、安全かつ正確に、元のルートに復帰することが可能となるという。

また、全方向(前後&左右)記録可能なドライブ・レコーダーは標準装備。「Hey MINI」で起動するパーソナルアシスタントも搭載する。

パワートレインはMINI ACEMAN Eが前輪に最高出力135kW、最大トルク290Nmを発揮する電気モーターを搭載。停止状態から100km/hまでの加速は7.9秒。リチウム・イオン バッテリーの容量は126.0Ah/42.5kWh で、ヨーロッパでの数値になるが一充電での走行可能距離は310km。

MINI ACEMAN SEは同様に、最高出力160kW、最大トルク330Nmの電気モーターを前輪に搭載し、0-100km/h加速は7.1秒。バッテリー容量は54.2kWhで走行可能距離は406kmだ。