アルメニアの巨匠のマイルストーンを振り返る｜Brief_004 カルティエ財団「アルタヴィスト・ペレシャンとの出会い」

文＝JBpress autograph編集部

伝説的監督アルタヴィスト・ペレシャン

　カルティエ現代美術財団は、アルメニア出身の伝説的な映画監督であるアルタヴィスト・ペレシャンに光を当てた、オンラインプロジェクト「Encounter with Artavazd Pelechian（アルタヴィスト・ペレシャンとの出会い）」を財団のウエブサイトで公開している。

　この映像は、ペレシャンがアルメニアで生まれてから2020年にカルティエ財団で公開された『Nature』を制作するまでの、キャリアのマイルストーンを振り返っている。これまでの10本の映画作品に加え、貴重な文章や歴史的写真、さらにはアート・映画関係者からの寄稿や投稿も紹介されている。

　この展覧会の開幕に際しては、映画監督のアトム・エゴヤン、アンドレイ・ウジカ、アーティストのサラ・ジー、メリク・オハニアン、ギジェルモ・クイッカ、哲学者のエマヌエーレ・コッチャという面々からビデオメッセージが寄せられた。それらは、エレバン（アルメニア）にとどまり続けた、この映画界の巨匠に対する賞賛と尊敬を表したものだった。

　また映像のなかでは、映画監督のレオス・カラックスがペレシャン作品への賞賛を示し、歌手のパティ・スミスは、2014年にカルティエ財団で上映された作品にインスパイアされ、コンサートの中でオマージュを捧げている。また、映画監督のピエトロ・マルチェロは、ペレシャンのビデオポートレートを新たに編集してることなど、興味深い話が綴られている。