2023年にワールドプレミアされたメルセデスの新しい2ドアクーペである「CLEクーペ」が日本上陸。3月18日(月)に発売となった。

メルセデス・ベンツ 唯一の2ドアクーペに

既にJBpress autographでもリポートした通り、CLEクーペはCクラスクーペとEクラスクーペを統廃合するかたちで誕生。今や4ドアクーペ(CLAクーペ、CLS)やSUVのクーペ(GLCクーペ、GLEクーペ)もラインナップするメルセデス・ベンツだが、2ドアクーペについてはCLEクーペが唯一のモデルとなった。

実用性よりも優美なデザインを第一義的に開発される2ドアクーペは、ラグジュアリーブランドにとってはブランドイメージを象徴するモデルでもあり、メルセデス・ベンツも各クラスに2ドアクーペをラインアップしてきた時代があった。

世界中でSUV旋風が吹き荒れるなか、今回メルセデス・ベンツが2モデルを統廃合してでも伝統の2ドアクーペを新たにリリースしたのは、ラグジュアリーブランドとしての矜持と、少数派といえども確実に存在する2ドアクーペを求める層の期待に応えたいという良心ゆえ、なのだろう。

サイズはEクラスクーペに匹敵する

CクラスクーペとEクラスクーペを融合させるかたちで登場したCLEクーペだが、ボディサイズは全長4,850×全幅1,860×全高1,420mmと、従来のEクラスクーペとほぼ等しい。これによりメルセデス・ベンツの2ドアクーペ伝統のロングホイールベース、ショートオーバーハング、ロングボンネットからなる伸びやかで美しいプロポーションを実現している。

フロントデザインは、立体的なスターパターンを採用したワイドなAシェイプのフロントグリル、わずかに逆スラントしたシャークノーズ、シャープなフルLEDヘッドライト、空力性能に優れたダイナミックなフロントエプロンなどが特徴。

ボディサイドは、ヘッドライトとリアコンビネーションランプからそれぞれ伸びる前後のライン、ドアパネル下部を後方に向かってわずかに上昇しながら貫くライン、これら3本のラインにより、精悍な印象に。ちなみにアルミホイールは、標準で19インチ、オプションで20インチが用意される。

リアは、力強く張り出したフェンダーや左右をダークレッドのトリムで繋いだ2ピースデザインのスリムなリアコンビネーションランプが目を引く。

インテリアはCクラスに準ずるも従来のEクラスクーペよりも余裕あり

インテリアは、基本的に新型Cクラスに準じたデザインが採用されており、インストルメントパネルには、12.3インチと11.9インチの2つの高解像度ディスプレイが配置される。

ダッシュボードのトリムや各操作スイッチパネル、ドアパネル、エアアウトレットなどにはおなじみのアンビエントライトが備わり、その日の気分に応じて車内の雰囲気を演出できる。

フロントシートには、サイドの張り出しを強めたCLE専用のスポーツシートを採用。4色の本革内装がオプションで用意されており、選択した場合はシートベンチレーターやシートヒーター機能などが装備される。

後席には左右独立式のリアシートを採用。従来のEクラスクーペに対して室内幅が肩部で54mm拡大するなど、後席乗員の居住性も高められた。シートバックは40:20:40の分割可倒式となっており、トランクルームも2ドアクーペながら420Lが確保されている。

CLE200クーペ スポーツの1グレード展開

パワートレーンは、本国仕様ではディーゼルや6気筒ガソリンなども用意されるが、日本に導入されるのは最高出力204PS(150kW)、最大トルク320Nmを発生する2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンのみ。エンジンとトランスミッションの間には、最大で23PS(17kW)、250Nmを発揮する第2世代のISG、いわゆるマイルドハイブリッドシステムが組み合わされ、低回転域でも力強く滑らかな加速感が得られるという。

足まわりには、通常走行時には快適な乗り心地でありながら、ハードなコーナリング時など一定以上の負荷がかかった場合には瞬時に減衰力を高められるセレクティブダンピングシステムを採用したスポーツサスペンションが標準装備されるなど、セダンやワゴンとは異なる乗り味が追求されている。

また、路面状況やドライビングスタイルに応じてサスペンションセッティングを調整することで、俊敏なハンドリングと快適な乗り心地を両立する連続可変ダンピングシステム搭載の「DYNAMIC BODY CONTROLサスペンション」がオプションで用意される。

さらにリア・アクスルステアリングもオプション設定。市街地走行や駐車時には前輪と逆方向に最大2.5度ステアすることで取り回し性を向上させるとともに、60km/h以上では前輪と同方向に最大2.5度切ることで高い走行安定性を確保する。

安全運転支援システムについては、Sクラスに搭載されているメルセデス・ベンツ最新のシステムを搭載。ドライバーの負担を軽減する機能や事故を未然に防止する機能、事故が避けられない状況で乗員を最大限保護する機能など、全方位でサポートするという。

日本に導入されるのは「CLE200クーペ スポーツ」の1グレードのみで、価格は850万円となる。