ARMAND DE BRIGNAC TWIN SET
BRUT GOLD & BLANC DE NOIRS ASSEMBLAGE 4
各750㎖ X 2本 ¥305,360

過日、セントラル・パーク・タワー100階にて

世界中のセレブリティが愛してやまないシャンパーニュ、アルマン・ド・ブリニャック。メゾンの設立に深くかかわり、共同オーナーとしてそのシンボル的役割を担うのが、史上もっとも偉大なラップ・ミュージシャンといわれるジェイ・Zことショーン・コーリー・カーターだ。メタリックに光り輝くボトルに、“王の象徴”である“スペードのエース”のエンブレムが刻まれ、世に数多ある高級シャンパーニュの中でもひときわゴージャス。スポーツ、アート、ミュージック、ビジネス……。ジャンルを問わず、偉業を成し遂げた成功者にこそふさわしい。

アルマン・ド・ブリニャックを代表するシャンパーニュ『アルマン・ド・ブリニャック ブリュット ゴールド』

そのアルマン・ド・ブリニャックから新アイテム「ブラン・ド・ノワール アッサンブラージュ 4」が登場。残念ながらジェイ・Zは現れなかったものの、昨年、ニューヨークのマンハッタンに聳えるセントラル・パーク・タワー100階のグランド・ボールルームにジャーナリストやインフルエンサーを招き、そのお披露目が行われた。

アルマン・ド・ブリニャック ブラン・ド・ノワール アッサンブラージュ 4

マルチヴィンテージのブラン・ド・ノワール

ブラン・ド・ノワールとは直訳すると「黒の白」。黒ブドウのみから造られた白のシャンパーニュを指す。よく似た言葉にブラン・ド・ブランがあるけれど、こちらは「白の白」で白ブドウのみから造られた白いシャンパーニュだ。シャンパーニュに用いられるブドウ品種は、原則として、黒ブドウがピノ・ノワールとムニエ、白ブドウがシャルドネの計3種なので、ブラン・ド・ブランは当然、シャルドネのみから造られる。一方、ブラン・ド・ノワールはピノ・ノワールとムニエの両方、あるいはどちらか一方を使うことが規定上許されているものの、たいていピノ・ノワール100%である。

ここで勘の鋭い読者なら、黒ブドウを使ってどうして白いシャンパーニュができるのか不思議でならないはず。じつはワインを赤くする色素はブドウの果肉と果皮の間にある。だからブドウを房ごと収穫し、そのままブドウをさっさと搾れば、赤く染まらずに白い果汁が得られるという寸法だ。

ところが、黒ブドウと白ブドウのアッサンブラージュ(ブレンド)はもとより、ブラン・ド・ブラン以上にバランスを取るのがむずかしいとされるブラン・ド・ノワール。どうしても黒ブドウゆえの力強さが全面に押し出されがちで、ポートフォリオにブラン・ド・ノワールを揃えるメゾンは数えるほどしかないのが現実だ。

そのような中、アルマン・ド・ブリニャックは2015年に初のブラン・ド・ノワール「アッサンブラージュ 1」を発売し、今回が4作目。究極のバランスを追い求め、どのキュヴェも必ず3つの異なる年の原酒をアッサンブラージュするという“マルチ”ヴィンテージのポリシーは、この「ブラン・ド・ノワール アッサンブラージュ 4」でも貫かれている。もっとも若い年が2015年で、それに14年と13年が加わる。

ブドウ品種はピノ・ノワール100%。メゾンのお膝元であるシュイィ・レ・ローズを筆頭に、ヴェルズネ、ヴェルジィ、マイィ・シャンパーニュ、リリー・ラ・モンターニュ、リュード、それにシャンパーニュ地方南部コート・デ・バール地区のヴィル・シュール・アルスなど数多くのクリュ(畑。シャンパーニュ地方では村単位)のブドウがアッサンブラージュされる。

さすがのバランス感覚

このクリュのラインナップをみて、思わず「さすが!」と膝を打った。モンターニュ・ド・ランスの特級畑でも北斜面に位置する、ヴェルズネ、ヴェルジィ、マイィ・シャンパーニュのブドウを使っているではないか。パワフルになりがちなブラン・ド・ノワールゆえに、これらのブドウを使うことでワインにエレガントさやデリケートさを与え、なおかつ長期熟成にも耐えられるようにしたことは想像に難くない。

事実、このアッサンブラージュ 4は、アッサンブラージュ 3と比べても1年長い7年の瓶内熟成を施し、フレーヴァーや味わいに複雑さや奥行きを与えることに成功している。そしてさらに驚かされるのは、これほど長期熟成を施したブラン・ド・ノワールにもかかわらず、重々しさなどいっさい無縁の快活さと若々しさを備えているのだ。

メゾンがガストロノミー向けのシャンパーニュと謳うように、お披露目のディナーでも料理とのペアリングでは万能性を発揮。フレッシュさやエレガントなフレーヴァーがスターターのマグロのタルタルに調和し、そのリッチさや複雑みからメインの牛バラ肉の煮込みに対してもまったくヒケをとらない。締めのシャンパーニュとしてグラスに注がれた一杯をじっくり楽しむのももちろんありだが、最高のダイニングで供されてこその1本であろう。

生産量はきわめて少なく、たったの7,328本。このごくレアなブラン・ド・ノワールに、アルマン・ド・ブリニャックのアイコン的シャンパーニュの「ブリュット・ゴールド」を組み合わせ、漆塗りの木製BOXに納めた「ツインセット」が、昨年末から世界500セット限定で販売されている。

「ブリュット・ゴールド」は3つの品種がアッサンブラージュされたキュヴェで、瓶内熟成期間は最低3年。フレッシュかつエレガント、果実味を前面に打ち出した飲み心地のよさが際立つ。まずは「ブリュット・ゴールド」をアペリティフとして味わい、テーブルに着いたらガンメタルカラーの「ブラン・ド・ノワール アッサンブラージュ 4」で料理とのペアリングを楽しむ。まさに成功者にこそふさわしい、ラグジュアリーでガストロノミックな宴が実現する。