ポルシェはスポーツラグジュアリーセダン「パナメーラ」の第3世代となる新型モデルを中国・上海において世界初披露。ポルシェ ジャパンは、ベースグレードの「パナメーラ」と4WDモデルの「パナメーラ4」の予約受注を、全国の正規ディーラーにてスタートした。

ルックスはまさにパナメーラ

ポルシェ初の4ドアラグジュアリースポーツセダンとして初代パナメーラがデビューしたのが2009年のこと。場所は上海モーターショーの会場だった。今回、第3世代となる新型パナメーラのワールドプレミアの地としてポルシェが選んだのも、やはり上海だった。

ポルシェAGのCEOであり、フォルクスワーゲングループ取締役会会長でもあるオリバー・ブルーメ氏が発表会場に駆けつけたことからも、ポルシェがパナメーラについて中国市場をいかに重視しているかが分かるだろう。

さて、その新型パナメーラはどんな進化を遂げたのか。まずエクステリアデザインは、911やボクスターなど他のポルシェ車がそうであるように、一見してキープコンセプトである。

しかし、つぶさに流麗なボディを観察すれば、よりアグレッシブさを増したフロントグリルや、ウインドウラインが一新されたサイドビューなど、確実に進化を遂げていることが見て取れるだろう。

フロントのナンバープレート上部に新たにエアインテークが追加されたのも新型の特徴。これにより、駆動システムに必要な空気が補われるようになったという。

ボディサイズは、全長5,052 ×全幅は1,937 ×全高1,423 mm。ホイールベースは2,950mm。先代との比較では全長が3mm延長しただけで、全幅、全高、そしてホイールベースは踏襲された。

新型カイエンと同コンセプトの操作系

一方インテリアでは、2023年4月に発表された新型「カイエン」と同様のコックピットコンセプトを導入。「ポルシェドライバーエクスペリエンス」と名づけられた同コンセプトプトでは、デジタル操作要素とアナログ操作要素の理想的なバランスを追求しているのが特徴。ドライビングに不可欠な入力要素と出力要素をドライバーの軸線上に配置したことで、ドライバーは、各ドライビングプログラムのモードスイッチなどを道路から目を離すことなく操作できるようになったという。

助手席にはオプションで10.9インチのパッセンジャーディスプレイも用意され、走行中のインフォテインメントシステムの操作やビデオストリーミングにも対応する。

まずはエントリーグレードからスタート

今回、日本で受注がスタートしたのは、2.9リッターV6ユニットを搭載するエントリーグレードの「パナメーラ」と、4WDモデルの「パナメーラ4」。同エンジンは、ブースト圧、燃料噴射流量、点火時期の変更により、先代モデル比で出力が17 kW(23 PS)、トルクが50 Nm向上し、260 kW(353 PS)、500 Nmとなった。

その結果、パナメーラの0-100 km/h加速は5.1秒に短縮され、最高速度も272 km/hに。またパナメーラ4も、それぞれ4.8秒と270 km/hを記録する。

一方、日本導入が予定されているPHEVのハイパフォーマンスモデル「パナメーラターボEハイブリッド」は4リッターV8ターボエンジンと新開発の電気モーターの組み合わせ。システム出力は500 kW(680 PS)、システムトルクは930 Nmに達し、0-100 km/h加速は3.2秒、最高速度は315 km/hを誇る。

また、容量25.9 kWhのバッテリーを搭載することにより91 kmのEV走行(WLTP複合サイクル)も可能だ。

足まわりでは、ポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)を備える2チャンバー、2バルブ技術のエアサスペンションを標準で装備。ダンパー制御の伸長段階と圧縮段階を分離することで、快適さとスポーティさの幅をさらに拡大したのが特徴で、路面の損傷や継ぎ目による衝撃を大幅に緩和すると同時に、ダイナミックな走行状況での車体の安定性を確保するという。

運転支援システムが大幅にアップグレードされたのも新型パナメーラの特徴。アクティブレーンキープアシストとアダプティブクルーズコントロールが標準装備されるほか、新機能のリモートパークアシストにより、ドライバーが車内にいなくてもスマートフォンから駐車することが可能となった。

価格は「パナメーラ」が1424万円、「パナメーラ4」が1479万円。「パナメーラターボEハイブリッド」については、予約注文開始日と価格が決まり次第アナウンスするとしている。