想像の斜め上を行く新商品「空気清浄ヘッドホン」

 そんなダイソンの新商品は、なんとヘッドホン。ダイソン初となるオーディオ、ウェアラブル製品です。今までと全く異なる方向性の製品のリリースに驚く人は少なくないかもしれませんが、その機能を知ると「たしかにダイソンらしい!」と納得するでしょう。

 まず「Dyson Zone」は、高度なノイズキャンセリング機能を持ち、音の歪みを極限まで抑えた優秀なオーディオ機器です。バッテリー駆動時間は音楽再生のみで50時間と、ストレスなく使えるレベルです。

 ただしこれだけなら他メーカーとたいした変わりはありません。面白いのは、このヘッドホンに空気清浄機能がついているということです。シールドを鼻と口を覆うように装着すれば、耳元のコンプレッサーから吸い込んだ空気が二重構造のフィルターで浄化され、口元に吹き付けられるという仕組みになっているのです。ダイソンの得意分野である気流制御、モーター、フィルターの各技術を遺憾なく発揮した製品と言えるのではないでしょうか。

 Dyson Zoneのアクティブノイズキャンセリング機能が、逆位相の音の波形を作り出すことでノイズを打ち消すことにより、耳元で発生するノイズだけでなく、周囲の騒音もカット。また、口元を覆っているシールド部分は、顔には直接接触しないデザインになっているので、息苦しさはありません。

 Dyson Zoneは既に2023年4月から中国で、その後に続いて英国、香港、シンガポールで発売されていますが、大気汚染や騒音はこうした国々に限った問題ではなく、大気汚染が地球規模で進む現代において、今後世界中で必要とされるだろうとダイソンは考えています。