オメガが、新たな調整機構を搭載した新作の機械式腕時計『スピードマスター スーパーレーシング』を発表した。販売予定価格は156万2,000円で、8月発売予定だ。

新たな独自機構「スピレート システム」の開発

 この度新たに開発されたのが、オメガの最新スピードマスターに搭載されている「スピレートシステム」。このシステムには、画期的なヒゲゼンマイ(特許出願中)が搭載されており、超微細な速度調整が可能に。そして今回、わずか日差0〜2秒という精度を実現した。

 この非常にわずかな日差を実現するため、オメガではテンプ自体を新たに考案。新しいシリコン製ヒゲゼンマイを採用し、テンプ受けに設置される独自の調整機構によりヒゲゼンマイ取り付け部分の剛性を調整できるようにした。数々の障壁を乗り越えて実現したこの機構は、ほかのキャリバーにも段階的に導入する方針だという。

 オメガはこれまでにも、コーアクシャル脱進機の実用化(1999年)のほか、シリコン製ヒゲゼンマイ(2008年)、極めて高い耐磁性を持つムーブメント(2013年)、マスター クロノメーター認定制度(2015年)といった取り組みを実用化している。今回のシステムを搭載したムーブメントも「コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー9920」として製品化される。

 2013年発売の『シーマスター アクアテラ 15,000ガウス』への視覚的オマージュとも言える新作『スピードマスター スーパーレーシング』は、サファイアクリスタル製のケースバックから新しい機構をはっきりと見ることができる。

 ダイヤルを囲むのは、レーシングスタイルのミニッツトラックと、イエローの“グラン・フー”エナメルによるタキメータースケールが施された、ブラックセラミック製ベゼルリング。2013年発売の『シーマスター アクアテラ 15,000ガウス』に採用されたビビッドなイエローは、グラデーションのクロノグラフ針と9時位置のストライプのスモールセコンド針にも使われている。

 そのほか、ダイヤルに施されたハニカム模様は、オメガ ミュージアムに展示している 16万ガウスの極限磁場に耐えたコンセプトウォッチにちなんだもの。ダイヤモンドポリッシュ仕上げのブラックのアロー型インデックスには、黄色に発光する独自のスーパールミノヴァ®が塗布されているほか、ダイヤルに描かれた「Speedmaster」「Super Racing」の文字にも同じカラーが使われている。

 6時位置には、『シーマスター アクアテラ 15,000ガウス』発売10周年を思わせる、スピードマスターのロゴと同じフォントで書かれた“10”が月に一度現れるというスタイリッシュな仕掛けにも注目したい。

 コレクタブルアイテムでもある同ウォッチは、ブラックにイエローのステッチが施されたハニカム模様の「スピードマスター ウォッチボックス」に収められている。なお、特別仕様のボックスには、リサイクルナイロン製NATOストラップやストラップ交換ツールも入っている。