2023年3月、マラケシュのエル・バディ宮殿において初公開されたフェラーリのオープントップモデル『フェラーリ ローマ スパイダー』が、早くも日本で公開された。

フェラーリ・ジャパン 代表取締役社長 フェデリコ・パストレッリとともに

54年ぶりのソフトトップ FR フェラーリ

ラ・ノーヴァ・ドルチェヴィータ。新・甘い生活。

1950年代から60年代の喜びにあふれたシックなイタリアン・ライフスタイルを現代的に再解釈した。

フェラーリが『ローマ』に与えたそのキャラクター性はオープントップモデルの『ローマ スパイダー』によって拡張された。

ソフトトップというのがステキではないか。フロントエンジン、リアドライブのフェラーリにてソフトトップが採用されたのは1969年の『365 GT4』以来、実に54年ぶりのことだという。

60km/h以下であれば、走行中でも開閉可能なこのソフトトップは、閉じればクーペのなだらかなラインを生み出し、開けばリアのアクティブスポイラーからトノカバー、リアシートのヘッドレストまでが流れるようにつながる。

ソフトトップの素材には新素材が採用され、2トーンの織りを4色から選んで仕上げることができるほか、ファブリック、アクセントのステッチを含めて、パーソナライゼーションを可能とする豊富なオプションが用意されている。

また、トランクルームの容量はクローズド時で255リッターを誇るが、ルーフを折りたたんでも、わずか220mmの厚さにしかならず、オープン時にもスペースには十分な余裕があるという。

2+2なので、リアシートも実質的にはラゲッジスペースと考えていいかもしれないけれど、リアシートは空席であれば、空力的な配慮から、バックレストを前席乗員の頭部の後ろに来るように回転させることができるという。

デュアル・コックピットと呼ばれるドライバー側とパッセンジャー側の空間が、それぞれ独立したシンメトリーなレイアウトは『ローマ』と同様。

その他、ファンクション、パフォーマンスにかかわる部分は当然『ローマ』を引き継ぐが、アクティブ・スポイラーはスパイダー特有のキャリブレーションが施され、ルーフオープン時に合わせたポジションが用意されているほか、空力、車内の乱気流対策がほどこされ、サイドシルはスパイダー専用のものに変更。加えて、ボディシェルとシャシーのねじり剛性、ビーム剛性を強化しているが、重量増は84kgにとどまり、パワーウェイトレシオは2.5kg/psだ。

エンジンは 最高出力620ps、最大トルク760Nmの3.9リッターV8ツインターボ。トランスミッションは8段DCT。0-100km/h加速が3.4秒、最高速度320km/hと、優雅なGTに対しては十分すぎる余裕だ。