取材・文=橋本優香
「良い肌」を追い求め続ける、資生堂の哲学が凝縮した1本
「オイデルミン」っていう化粧水をご存じだろうか?
資生堂が化粧品事業に進出するきっかけとなった化粧品で1897年(明治30)の発売当時、最先端であった 西洋薬学と東洋医学を融合し、 処方されたものだ。
「オイ(EU)」は“良い”、「デルミン(デルマDERMA)」は“肌”。ギリシャ語の「良い肌」からその名を受け命名されたオイデルミンは、「高等化粧水」として販売され、“資生堂の赤い水”として人気を博したのだ。いわゆる保湿することが目的の化粧水ではなく、まず肌をきれいにするための“拭き取り用化粧水”として発売された。
その時々のニーズに合わせて処方改良を繰り返すものの、オイデルミンは長く愛され、1997年に大きな変革期を迎える。
8代目の「オイデルミン」は背の高い赤の瓶におさめられた透明でモダンな化粧液へと進化。中央には“EUDERMINE”の文字を鏡面のように表現をし、不思議な記号のような文字と100余年前から変わらない深い赤のイメージが、過去と未来の橋渡し役となった。
9代目の「オイデルミン」は「美しさを取り戻すための自己回復力」に対応する化粧液に!
満を持して2023年3月1日に9代目のオイデルミンが誕生する。
独自のケフィア発酵エキスGLを配合。ケフィアは、コーカサス地方では“美と長寿の秘訣”ともいわれ、ヨーグルトでも有名になった発酵乳だ。今回は、日本のお米「ななつぼし」の発芽玄米をケフィア菌で発酵させた、独自のエキスを生み出すことに成功。
そのほかにも日本産のユズを使用したユズエキスや資生堂独自の成分4MSKを配合。
1本で満足できるような“エッセンス”の要素はありながらも、同時に“ローション”のみずみずしさも両立。洗顔後の肌に思わず「気持ちいい!」といいたくなる処方で、しっとり派でも、さっぱり派でも使いやすいと、絶妙な使用感として話題だ。
世界で初めて化粧品に採用した新規容器技術
また、環境に配慮した最新仕様の付け替え容器を同時に発売する。
化粧品業界で初めて「リキフォームⓇ」という新容器技術を採用。通常ならば化粧品の容器をまず空気でふくらませ、それを別の工場に運び、中味を詰めていくが、新技術では中味を充填すると同時に容器をふくらませることが可能となり、手間をひとつ省くことで輸送エネルギーやCO2を削減できるように。さらに本体容器を繰り返し使用することで、使用後に廃棄するプラスチック量を92%削減することにつながるという試算もあるという。
「すこやかで美しい肌を実現する」という意味をこめた「オイデルミン」への想いは、技術の進化した今でも変わることなく継承されている。
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