2022年4月に湖池屋オンラインショップ限定で発売。わずか1週間で完売した『ビストロポテト』が、メルシャンが販売する『ロバート・モンダヴィ バーボン・バレルエイジド カベルネ・ソーヴィニヨン』とセットになって12月1日(木)から2,000セット限定で復活。さっそく試食&試飲してみた。

事の次第

仲良くしてもらっているメルシャンの黒澤学さんから、ちょっと試してみませんか?とのお誘いをいただき、12月1日(木)に我が家に届いた『ビストロポテト ワインとポテトのマリアージュセット』。まずはプレスリリースを見ると、黒澤さんのコメントが……

「ワイン1本にポテトを変えることで色々な楽しみ方ができ、人それぞれ違った好みや感想を持っていただけるだろうなと思いました。そういう意味でも、ワインの面白さ・興味深さを体験できる素晴らしいマリアージュが楽しめました」(メルシャン株式会社 (一社)日本ソムリエ協会 認定 ソムリエ 黒澤 学さん)

え、黒澤さんってソムリエだったんだ!とむしろそっちに驚く。黒澤学さんは、ワインインポーターとして高級ワインからテーブルワインまで幅広く担当し、尽きることない泉のようなワイン知識の持ち主かつグルメ。にくわえて、イベントでは司会進行から裏方仕事まで、なんでもキッチリこなして場を盛り上げ、スポーツでもファッションでも経済問題でも、独自の切り口でハッとするようなコメントをしてくれる上に気さくでお茶目で偉そうにしない。デキる男ってこういう人をいうんだよなぁ……と男が憧れる男を地で行く人物。ソムリエ資格まで持っていたとは……

そんな黒澤さん関わった仕事なので「間違いない」。おそらく誰も言わないことなので、ココが重要と僕が言っておきます。

スナック菓子と侮ることなかれ。料理と素材の味がしっかり味わえる

とはいえ、黒澤さんがワインやポテトをつくったわけではないので、まずは『ビストロポテト』から試食。『ヴィシソワーズ』『ミネストローネ』『ベーコンチーズ』と3つのフレーバーがあって、共通して言えるのは、変な味がしないこと。ベーコンチーズなんて、いかにもスナック菓子的な人工フレーバーを想像するけれど、拍子抜けするほどおだやか。むしろポテトの味がちゃんとすることに驚く。ポテト+ベーコン+チーズだ。そもそもポテトのスープである『ヴィシソワーズ』なんて「ああ、ヴィシソワーズですね……」ビストロというより、レストラン。それでいうと『ミネストローネ』は、ヨーロッパの冬の家庭か。料理上手のおばあちゃんがいる──

聞くところによると、かの湖池屋をもって、複雑な製造工程ゆえに量産が効かないのだとか。それも納得な本格派の味わい。

上から『ヴィシソワーズ』『ベーコンチーズ』『ミネストローネ』。ラベルと色が合っている。狙った?

メインはワインだ

そして、これと組み合わせられている『ロバート・モンダヴィ バーボン・バレルエイジド カベルネ・ソーヴィニヨン』は傑作なんじゃないかと以前からおもっている。正直、このワイン、名前で損してる。

バーボン・バレルなんて書いてあるから、バーボンの風味がついてて樽の香りがあって、みたいなフレーバー付き赤ワインを想像をするかとおもうけれど、そういう飛び道具っぽいことをするワインメーカーじゃないのだ。

おそらく、バーボン樽は、ワインの質をまろやかにするために使われている。そもそも、比較的冷涼なモントレーのカベルネ・ソーヴィニヨン。「タニック! グラマー!」みたいなキャラじゃないはずだ。これにバーボン樽を使うことで、なめらかな舌触り、味わいの各要素がよく馴染むまで熟成させたかのような、1ランク上の高級感を与えているのだとおもう。

また、コルクを抜いた時にただよう、醸造香みたいな香りがたまらない。心はゴールデンゲートブリッジを渡り、ナパ・ヴァレーへ……実際はモントレーだからまったく逆方向だけど、いいじゃないか。そういう気分にしてくれるのが素晴らしいのだ。リッチなアメリカ。サンフランシスコ。実売価格2,000円付近のワインでこれだけやってくれたら文句のつけようがない。

「タニック!グラマー!」みたいなキャラが欲しい人には物足りないかもしれないけれど、そういうワインは食事もある程度ちゃんと用意したほうがよかったりして、めんどくさい。こちらはそういうワインじゃない。ついつい飲んじゃう。特に食事と合わせなくても美味しいから、食後にちょっと1杯、あ、やっぱり3杯……でもそうなるとちょっと口寂しい。そんなときに『ビストロポテト』。出来てる!ちゃんとペアリングしてる。

黒澤さんのキャラから考えても、おそらくそういうイメージだと勝手に決めつけたい。

ちなみに『ロバート・モンダヴィ プライベート・セレクション』シリーズはどれも値段より質が高いというオススメアメリカンワインなのだけれど、黒澤さんによれば『バーボン・バレルエイジド シャルドネ』も『ビストロポテト』に合うらしい。たしかにポテトの甘みと樽熟成シャルドネは合いそうなので、ワインを先に飲みきっちゃう人は、2本目はシャルドネで。