夜の闇に浮かぶ路上の宇宙船「デコトラ」。そんなデコトラを15年にわたって撮影した写真集が登場した。

 1970年代に映画『トラック野郎』で一大ブームを巻き起こしたデコトラは、ボディにペインティングや電飾を施した、世界のどこにもない唯一無二のクルマ。近年では、日本のポップアートとして、世界からの注目を集めている。

 今回、この一風変わった写真集を手がけたのは、雑誌や広告などの第一線で活躍するフォトグラファーの秦 淳司。15年前、デコトラを撮影した際にその魅力に引きこまれ、以来その姿をカメラに収め続けてきたという。

 秦 淳司がデコトラを撮影するのは、いつも夜。夜の闇に浮かび上がる電飾を点灯したデコトラたちは、まるで路上の宇宙船のよう。このたび登場する写真集は、絵本などに用いられる厚紙を使用した、ボリュームのある一冊。厚さ5センチ、重さは2.4キロと、各ページを飾る写真ともども、重量感あふれる写真集に仕上がっている。

 同封されている別冊には、都築響一、鈴木正文、安藤夏樹の各氏が寄稿。デコトラや秦 淳司について語られている。

 写真集の発行にあわせ、メタバースのギャラリーでの作品展示のほか、NFTでの販売も計画されている。また、12月9日〜25日のあいだに東京・神楽坂のアートギャラリー「Roll」での写真展開催が予定されている。

秦 淳司 Photographer

赤坂スタジオ勤務後、小林和弘氏に師事。
1994年からフリーランス・フォトグラファーとして
ファッションを中心に、雑誌、広告、
アーティスト写真、動画などで活動している。