2022年6月に日本ワインへの大きな投資を発表した『サントリーワインインターナショナル』。サントリーの日本ワインを統合する新ブランド『SUNTORY FROM FARM』が2022年9月6日(火)にスタートし、9月9日(金)にはサントリーの日本ワインの中心地 山梨県 甲斐市「サントリー登美の丘ワイナリー」がリニューアルオープンした。

JBpress autographはこのリニューアルオープンイベントに参加した。

テープカットの瞬間。

サントリー登美の丘ワイナリーは別世界

「サントリー登美の丘ワイナリー」は、1909年(明治42年)に、かつて「登美村」と呼ばれていた地を小山新助という鉄道参議官が国から買い取り「登美農園」の名でブドウ栽培を始めた場所。1936年、その経営を助ける形でサントリー(当時の「寿屋」)の創業者、鳥井信治郎が、この農園を継承し、現在まで、サントリーが持つワイン用のブドウの栽培地、そして日本ワイン醸造施設の中核を担っている。

鳥井信治郎は1934年に「岩の原葡萄園」の共同出資者にもなっており、「岩の原葡萄園」の創始者であり「日本ワインぶどうの父」川上善兵衛とともに、「寿屋山梨農場」と名付けた「登美農園」、現在の「登美の丘ワイナリー」を発展させた。

現在の敷地面積は150ヘクタール。うち、およそ25ヘクタールをブドウ栽培地として使い、主に11品種のブドウを約50区画にわけて栽培している。

9つの小さな丘が連なる登美の丘の標高は、最高地点でおよそ600m。ここから標高500m付近までの約100mの高低差の間に畑が集中している。

標高600mにあるその名も「眺望台」からブドウ畑を望む。

世界的に見れば驚くほど雨が多い日本にあって、年間降水量が1100mm程度に収まり(少し前に大規模な火災で話題になったボルドーは年間800mm程度)、斜面ならではの水はけのよさ、寒暖差、複雑な日照の変化を利した登美の丘のブドウ畑。人が住む集落の合間に畑が点在するスタイルのワイナリーと違い、丘まるまる一個を畑とワイナリーに使うスタイルは、日本ワインのオリジネーターのひとつにして、最大手の一角でもあるサントリーだからこその稀有なものだ。ナパ・バレーやソノマのワイナリーのような別世界感が、味わえる。

ようこそ表示からまだ結構、登る。左右はブドウ畑。甲府駅南口からは、タクシーで約30分。

ワイン好きのための遊園地

ワイン好きからしたら、国内でこれだけブドウに囲まれた環境を体験できるだけでもだいぶ楽しいものだけれど、今回のリニューアルでは、この登美の丘の標高で500から400m付近にあるワイナリーでの体験が強化された。

『富士見テラス』。本当に富士山が見える。曇り日でもそれはそれでソノマっぽくてステキ(取材当日は曇っていた)。

到着してすぐがワインショップになっていて、その先には富士山を背にした甲府の街が一望できる「富士見テラス」。ここが拠点になる。

有料・無料の各種ツアー・テイスティングを含め、広い登美の丘を楽しむ方法は様々用意されているので、まずは一度、ショップで何ができるかを聞いてみよう。

テラスの下に広がる見学用ブドウ畑でのテイスティングも!

ワイナリー初体験だとしたら「熟成庫ツアー」は特にオススメ。日本で山の中にトンネル状につくられたワイン熟成庫を訪問できることは、そうそうない。

この樽熟成庫のほか瓶熟成庫もあり、そこには1960年代のワインも。