昨今話題の食材、プラントベースミート(植物由来の原料から作られた肉)。この度、シンガポールの植物由来のチキン『TiNDLE(ティンドル)』が日本で初めて発売となった。現在、ドイツ料理とドイツのクラフトビールが楽しめる 『SCHMATZ(シュマッツ)』で期間限定で提供中だ。

植物由来のチキンのすごいエコ力!

『TiNDLE(ティンドル)』は、2020年にシンガポールで設立された「Next Gen Foods(ネクスト・ゲン・フーズ)」が開発した植物由来のチキン。同社は持続可能な植物性食品を開発、商品化する振興企業として知られており、このティンドルが初の製品となる。実際のところ植物由来のチキンは通常の鶏肉生産よりも、土地面積が約74%、水が約82%、温室効果ガスの排出を88%ほど削減できるという。(2020年「Blue Horizon」レポートより)

このティンドルを作る原料は9つ。水や大豆、グルテン、ココナッツオイル、そしてLIPI(リピ)というサンフラワーオイルと食物繊維を合わせたものなどだ。これにテクノロジーが加わることで、チキンの繊維のような食感と旨味を醸し出すことができる。特にリピがチキンのようなアロマとテイストを出すのに重要な役割を果たすという。

ドイツ風 TiNDLE唐揚げ  ¥ 730
TiNDLEをオリジナル調味料で下味をつけてドイツ風の味わいに。カラッと揚げた唐揚げ。

これらの材料は世界各国から調達し、特にオーガニックにこだわったりせず、できるだけ販売価格を抑える努力をしている。

「グローバル化を目指し、またサステナブルにも貢献していきたい。それには消費量を増やしていくことが重要となります。そのためには、レストランに受け入れやすい価格で生産しないといけないと思っています」

と「ネクスト・ゲン・フーズ」のシニア・トレード・マーケッティングマネージャーのブライアン・ウン(Brian Ng)さん。

ブライアン・ウン(Brian Ng)さん

まだ、発売から1年ほどながら世界中で採用。チキン好きの日本に刺さるか?

シンガポールの数軒のレストランを皮切りに発売となってまだ1年余りのティンドル。現在はアジア、中東、アメリカ、ヨーロッパの10カ国で、カジュアルレストランから高級ホテルまで500軒以上の店舗で取り扱いがあるという。世界のシェフからのフィードバックと消費者の反応を尊重し、味に反映させているそうだ。

「欧米はプラントベースミート市場は成熟しています。先発メーカーが開拓してきたので土壌があります。例えばアメリカはスーパーの売り場面積が大きいですね。一方、アジアは急激に伸びています」

とブライアンさんは世界市場について語った。

販売開始となった日本市場についてブライアンさんは、次のような抱負も。

「日本のチキン好きの方に食べていただきたいです。またティンドルを食べることで、エコシステムに貢献することにもつながると知ってほしいです」

この度、日本で初めてティンドルをオンメニューした『SCHMATZ(シュマッツ)』は、クリストファー・アックスさんとマーク・リュッテンさんが、ドイツビールとジャーマンソーセージを販売するフードトラックから出発した店。2年後の2015年、モダンドイツ料理と本格的なクラフトビールが楽しめる念願のビアダイニングを赤坂にオープンし、現在、首都圏と名古屋で39店舗を展開するほどの勢いにのったグループだ。また100店舗以上のスーパーで販売しているオリジナルビールで『SCHMATZ(シュマッツ)』の名前を見かけたことがある方もいるかもしれない。

創始者&最高経営責任者、チーフハピネスオフィサーのマークさんは、次のように語ってくれた。

「実際のところ、プラントベースミートの需要はさほど高くありません。しかし外国人の私たちが飲食店として率先して取り組んでいきたい。お客さまにシュマッツはプラントベースミートとビールが楽しめる店と認知されるようになればいいですね」

マークさんともう一人の創業者クリトファーさんは若い起業家ながら、来日する前にビジネスの世界で実力を発揮してきた。その二人がプラントベースミートに着目したのは、とても興味深い。

実際試食してみると、植物由来とは思えないほどチキンを食べている食感と味わいが楽しめた。世界はこういう食材の需要が高まっているのかと改めて食について教えてくれた。

TiNDLEハンバーグステーキ ¥ 1,200
TiNDLEにタマネギ、ハーブ、スパイスで香りと風味を付けてハンバーグに。ポテトとチーズを加えてオーブン焼きに。

難しいことはさておき、パンチのある味わいの2つの料理は、どちらもドイツビールとの相性は抜群だった。