文=福留亮司

毎年、実用的なモデルを発表しているカール F. ブヘラ。今年は人気のクロノグラフモデル『ヘリテージ バイコンパックス アニュアル』から、世界の都市をフィーチャーした17モデルが発表された。各88本の限定モデルで販売方法も特殊なので、購入するには早めのアプローチが必要だろう。

『ヘリテージ バイコンパックス アニュアル ホームタウン TOKYO』東京モデルは、美しいミントグリーンのグラデーションで表現されている。自動巻き(Cal.CFB 1972)、ステンレススティールケース、41㎜径、104万5000円

レトロとモダンが融合した2カウンター

 近年は、過去にあった名品の復刻モデルに魅力的なものが多い。2019年に、スイス・バーゼルフェアで発表された、カール F. ブヘラの『ヘリテージ バイコンパックス アニュアル』もそのひとつだ。レトロとモダンが融合した2カウンター(バイコンパックス)のクロノグラフには、アニュアルカレンダー(年次カレンダー)機能が備わり、高いデザイン性と実用性を兼ね備えた名品として、高い評価を得ている。

 その『ヘリテージ バイコンパックス アニュアル』に、今年は「ホームタウンエディション」という新作17モデルが加わった。これはカール F. ブヘラと強い絆で結ばれた街へ敬意を表し、その都市に合わせたダイヤルカラーを設定したもの。それは9カ国16都市(北京が2カラー)からなる。

 その都市とカラーは次の通り。

 バーゼル=バーガンディ、チューリッヒ=グリーン、ベルリン=グリーン、ベルン=グリーン、ジュネーブ=バーガンディ、ロンドン=グリーン、ムンバイ=グリーン、ミュンヘン=イエロー、ニューヨーク=グリーン、パリ=ブラウン、ザンクト・ガレン=グリーン、ウィーン=ミント、ツェルマット=ブラウン、北京=グリーン&バーガンディ、東京=ミント、そして、ブランドの本拠があるルツェルン=ブラウンである。

 ダイヤルカラーはすべて、外周に向かって放射線状にグラデーションが濃くなっている。

 ちなみに、東京がミントなのは、皇居、新宿御苑、日比谷公園、代々木公園など、大きな公園に加え、街中の小さな公園を含めると緑が溢れているから、ということだ。なので、グリーンでも明るい“ミントグリーン”をダイヤルカラーに、『ヘリテージ バイコンパックス アニュアル ホームタウン TOKYO』としている。