働き盛りのニオイエチケット(前編):加齢臭より強烈!?30代から注意したい「ミドル脂臭」のセルフケア

監修=木村有太子 取材・文=轡田早月 編集協力=永坂佳子

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ニオイケアの落とし穴

 前編でお話した通り、30代半ば~50代半ばの働き世代の男性がケアすべきなのは、女性が嫌う使い古した油のようなニオイのミドからル脂臭です。そして50代以降に増えるのが、枯れ草のようなニオイの加齢臭です。

 こうしたニオイ対策は、汗ばむ夏だけでなく、むしろそれ以外の季節こそ注意が必要です。なぜなら、夏は汗をかくので衣類を毎日こまめに洗濯しますが、冬は同じワイシャツを2日間着続けていたりする人が少なくないからです。

 寒い季節は一見汗をかいていないように感じますが、身体からは汗や皮脂が毎日分泌されています。ワイシャツを1日着ていれば、ニオイの元になる成分がしっかりうつります。どんなに毎日入浴したり、汗拭きシートなどで拭いたりして清潔にしているつもりでも、ニオイがついた衣類を着ていれば、当然ながらそのニオイが周囲にも広がります。ニオイエチケットのためには、季節を問わずワイシャツは毎日取り換えることをおすすめします。

 

脱いだとたんにムッとくる、ニオイに要注意

 中でも気を付けなければいけないのが、毎日洗濯しにくいジャケットや上着類です。ミドル脂臭は後頭部や耳の後ろが主な発生源なので、ジャケットや上着類の襟にニオイがうつります。そのため、同じジャケットや上着を毎日身に着けているうちに、そうしたニオイがどんどん築盛してしまいます。

 加齢臭は胸や背中が主な発生源なので、ジャケットや上着類には直接触れないと思われるかもしれませんね。しかし、下着やシャツの下で発生する加齢臭が、ジャケットの中でどんどんこもって蓄積していきます。そのため、ジャケットを脱いだ瞬間に蓄積されたニオイがモワッと拡散して、周囲に不快な思いをさせてしまうことになります。

 冬の衣類は汗ばむ夏よりもニオイ対策が手薄になりがちですが、毎日洗わない衣類こそ、こまめなケアが欠かせません。ジャケットやコートは帰宅した後クローゼットにすぐしまわず、襟元や裏側に消臭スプレーをかけてください。そして風通しのいいところにしばらく掛けておきましょう。これを習慣づけるだけで、ジャケットや上着に不快なニオイが蓄積するのを防ぐことができます。