文=大住憲生 撮影=唐澤光也(RED POINT)スタイリング=櫻井賢之

 リモートワークという新しい日常を得て、高度経済成長期から続く伝統である満員電車と決別できたビジネスマンは多いことでしょう。満員電車は、時差通勤の励行だけでは解決し得なかった問題で、選挙公約に「満員電車ゼロ」を掲げて東京都知事選に出馬した候補者もいたくらいの大問題でしたから。

 ということでリモートによるコミュニケーション、いわゆるオンラインミーティングが新しい日常になりました。そして、そこで「何を着ればいいのか問題」がありました。世のなか問題だらけです。ニューノーマル時代に突入してもう半年以上も経ちますから回答は出ているでしょう。が、いまだに悩んでいらっしゃるビジネスマンには、このロロ・ピアーナのニットジャケットをおすすめします。

ロロ・ピアーナのニットジャケットは高品位の素材で出来ています。スーパー160’s (直径15.5ミクロンの極細)のメリノウールを原材料にした梳毛(そもう)糸は、毛足の長い羊毛を引き揃えて、短い羊毛を取り除き紡績(繊維を糸の状態に)しています。梳毛糸は繊度(糸の太さ)が均一でうつくしく、糸の表面は滑らかで光たくがある。糸の撚りは強めですから、どの部分もおなじテンションで「もっさり感」はありません。シワにもなりません。シャープな印象をパートナーにあたえます

モニター越しから印象操作

 ロロ・ピナーナは、北イタリア・トリベロにて1924年に創立された高級服地ブランドで、カシミアとビキューナにおいては世界最高の品質とトップシェアを誇っています。2013年に、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループに買収されたことにより、服地や既成服だけでなくライフスタイルを豊かにする、ハイエンドなアイテムをつくるブランドになりました。もちろん、素材だけでなく縫製もデザインも高級です。

 社内のオンラインミーティングであれば、ニットジャケットのインナーは紺のTシャツでよいでしょう。紺のジャケットに紺のインナーで紺ずくめですが、紺という色には調和、協力といったイメージがあるそうですからビジネスウェアには最善の選択です。また、ビジネスパートーナーに落ち着いた印象をあたえる色とも考えられているようです。カジュアルに着るばあいも汎用性のある色ですからコーディネートは自在です。で、若干あらたまったミーティングのときにはインナーを白いシャツに。タイドアップしたほうがよさそうなミーティングには、シルク製のニットタイ(これも紺。そして無地)をキリッと締めましょう。

オンラインミーティングやホームウェアとしてだけでなく、シティ向けの装いに最適な洗練されたミディアム・ウェイト。すっきりとしたラインを強調したスタイルです。散歩には、いちばん上のボタンを留めてインナーにはタートルネックセーター、そしてマフラーを巻いて ニットジャケット27万2000円(ロロ・ピアーナ/ロロ・ピアーナ ジャパン:Tel.03-5579-5182)

 ニューノーマル時代のビジネスウェアを考える時代です。ポイントは「パートナーに不必要な情報を伝えない」こと。つまり、意味ありげな色や柄の服は着ないほうがよい。そして「品と質のよい服」であること。モニター越しであっても品質はごまかせない。モニター越しだからこそ見えてしまうモノやコト(もちろんヒトも)ありますからね。