今回は「大人のベーシック」のアイシャドウ編。大人の目もとを習得したいならば、「締め色のあるパレットを選んで!」という岡野さん。岡野さんおすすめカラーはダークブラウン。柔らかな雰囲気を作りたいけれど、可愛すぎる雰囲気にはしたくない人は暗めのブラウンが活躍してくれるそう!
取材・文=橋本優香
大人のアイシャドウの役割は品を与えるものだと思うんです
「若いときのように何をやっても可愛くなれるわけではありません。大人になるほど、うるおい感やハリ感はどんどん失われ、骨格が崩れてきて影やくすみが如実に出てしまいます。とはいえ、年齢に抗って隠すのも違う気がするし、“ありのまま”では生活感が見えてしまうこともあります」(岡野さん)。
大人が最大限に自分の魅力を引き出すために、まず私たちがするべきことは自分の肌としっかり向き合うこと。そして、足りない部分をメイクで補うことが必要だといいます。
「まずは、大人に足りないのは血色感。ですので、赤みを足すことが重要です。赤みは影も立体感もこなせるので、暖色のアイシャドウを選ぶと、印象的な目もとを叶えてくれるでしょう。そして、もうひとつ、大人にとっては、締め色こそ、目を大きく見せたり、まぶたの腫れぼったさを抑えて見せたりするので、締め色があり、暖色のベージュ系がおすすめです」。
公私ともに愛用はエルメス。絶妙な色に心奪われます
「大人におすすめは、エルメスのアイシャドウです。私は、03:オンブル・フォーヴを愛用しています。塗布しやすく、肌にフィットして美しい発色を長時間キープする処方で、色合いを最大限に引き立てるマットやサテン、シマーといった質感は、エルメスのシルクコレクションのよう。私がおすすめする03はアンバー感のあるパレット。締め色の濃いブラウンは大人の目もとをくっきりした眼差ししてくれ、秋の日差しのような、オレンジ色が大人の肌にきらめきを与えます。さらにエルメスのアイパレットを持っているだけで、気持ちが引き締まります」(岡野さん)。
トム フォード ビューティの「プリズマフォーミュラ」も秀逸
次に40代以降におすすめはトム フォード ビューティという岡野さん。アイ カラー クォードは3つの処方の違うパレットがあります。「なかでもプリズマフォーミュラのシリーズは、濡れたような光沢を放つツヤ、光を操る⽴体感を叶えるドライ&ウェット処⽅でドライでよりソフトでシアーな仕上がりを、ブラシを⽔で湿らせてウェットにすると、よりドラマティック感なイメージになれます。彩度高めのオレンジやレッド系と、適度な光感のラメを重ねることで、色が立ちすぎず、こなれた印象に。オレンジ系などを入れるポイントは二重の幅からアイホールに色をのせること。アイシャドウブラシを使って、柔らかく筆でぼかすように軽くつけましょう!」(岡野さん)。
単色アイシャドウも大人の骨格を掘り起こすにはキーアイテム
コーラル系ベージュの単色アイシャドウも、ひとつ持っていると便利なアイテムと岡野さん。「しっとりして粉が飛ばないコスメデコルテのアイシャドウを、アイホール部分にとんとんと乗せて広げるだけでくすみや色ムラを飛ばしながら骨格を掘り起こすことができます」。たちまち、目もとを明るく補整して、皮膚感もナチュラルに変身できます。
スティック状アイシャドウは目の周りのくすみを飛ばすバイプレーヤー
メイクをする時に気になるくすみ。そんなときは、くすみを隠すベージュ系のスティック系アイシャドウがおすすめと岡野さん。「まぶたの色素沈着している部分やくすみが気になる部分にスティック状アイシャドウで軽くのせる。明るめのベージュというより、マイナスワン、トーンが暗めのベージュ系だと、くすんだまぶたに馴染みやすくなります。くすみが気になるからと言ってファンデを多めに使うと、目周りのくすみと相まって、疲れて見えたり、化粧崩れでドロドロになることも……。軽やかな色をチョイスして自然な立体感を引き出すのがポイントです」(岡野さん)。
いかがでしたでしょうか? 大人の目もとは骨格が崩れ、影やくすみが如実に出てくるため、以下の5つがポイントです。
①パレットを選ぶなら暖色が入ったベージュ系。
②血色感UPの色がセットされていること。
③締め色(濃いブラウン)を意識。
④大人の骨格を掘り起こすためには単色アイシャドウも便利
⑤くすみを払うのはファンデではなくアイシャドウ
次回は大人ベーシック:チーク編になります!